4月18日と19日に各地で開催される「フェドカップ・ワールドグループ」のプレーオフ。アメリカは敵地イタリアのクレーコートでワールドグループ復帰を賭けて戦うことになっている。
カリフォルニア州コンプトンのコンクリートの上でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はテニスを学んだ。彼女がヨーロッパのクレーコートの遅さが好きでなかったとしても、それは理解できる話だ。
実際、セレナの19度のグランドスラム優勝のうち、クレーの全仏オープンで挙げたタイトルはもっとも少ない2勝だ。
それにはいくつもの理由がある。だが、彼女はクレーコートが特別に好きなのだと話している。
「実際、私はクレーコートが好きよ」と、セレナはイタリアとのフェド杯ワールドグループ・プレーオフを前にした金曜日に話している。「リラックスできるし、焦らなくてもいい。ボールをじっくりと待つ時間もとれることもあるから」。
今季のセレナは実質無敗でここまできている。彼女の唯一の敗戦は、インディアンウェルズの準決勝を前に膝の故障で棄権した不戦敗だけ(※不戦敗は敗戦としてカウントしないため、公式記録上は18勝0敗)。今季は全豪オープンを制し、マイアミでも優勝している。まさに圧倒的だ。
今週末のフェド杯は、マドリッド、ローマ、そして全仏オープンへと続くクレーコート・シリーズに向けた準備としての意味もある。
「私のクレーコートでのプレーはすごくいい感じよ」とセレナは言う。「クレーコートのシーズンがすぐに始まるから、マイアミのあと、すぐに練習を始めたわ。このフェド杯にも準備はできている」。
セレナの最初の試合は36位のカミラ・ジョルジ(イタリア)が相手だ。
2年前に戦った試合で、ジョルジをストレートで退けているセレナ。今のところ、これが唯一の対戦だ。しかし、ジョルジは前週のカトヴィツェの大会で決勝に進出。インドアのハードコートで鋭いプレーを見せていた。
「(ジョルジは)そんなに大きくは見えないけれど、とても強く、そして激しくボールを打ってくる選手」とアメリカのメアリー ジョー・フェルナンデス監督は話している。「とても興味深い対戦になるでしょうね」。
「(ジョルジは)頑張るだけですもの」とフェルナンデス監督は付け加えている。「昨年のクリーブランドでも私たちは彼女と対戦している。彼女はマディソン(キーズ)をやっつけているのよ。彼女の能力についてはわかっているつもり」。
イタリアのコラード・ブラズッティ監督はより経験豊富なフラビア・ペンネッタ(イタリア)ではなく、ジョルジを2番手に起用した。ペンネッタはジョルジよりも10番以上もランキングが上の選手で、会場のブリンディジは彼女の故郷。観客たちからの盛大なサポートが期待できるのにも関わらずだ。
シングルスの第2試合では、57位のローレン・デービス(アメリカ)と15位のサラ・エラーニ(イタリア)が対戦する予定。
「初日の布陣としては、これがベストの決断だったと思う」とブラズッティ監督は言う。「2日目にはまた変更もできるからね」。
ダブルスにはアメリカがクリスティーナ・マクヘイルとアリソン・リスク、イタリアはカリン・クナップとペンネッタをラインナップしてきた。だが、フェルナンデス監督は、仮に2勝2敗でダブルスを迎えた場合はセレナの起用もありうるとしている。
「もし、私が1、2、3試合、あるいは4試合を戦うということなったとしても、別に問題はないわ」とセレナは話している。
イタリアとアメリカはこの6年で4度対戦。中でも2009年と10年には決勝を戦っているが、4度の対戦ともにイタリアが勝っている。ただし、両国の通算での対戦成績はアメリカが9勝4敗とリードとしている関係だ。
「みんながタフな相手」とフェルナンデス監督。「1試合に勝つだけではだめ。OK、これで1勝という感じでいかないといけない。相手は全部の試合で戦える相手。どうにかして3つ勝ちにいくというアプローチが必要になる。これはチャレンジ。それには疑問の余地がないわ」。
この対戦の勝者が来季のワールドグループに復帰し、敗者はワールドグループ2部に落ちることになる。(C)AP
※写真は昨年の全仏オープンでのセレナ
Photo:PARIS, FRANCE - MAY 28: Serena Williams of the United States returns a shot during her women's singles match against Garbine Muguruza of Spain on day four of the French Open at Roland Garros on May 28, 2014 in Paris, France. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)