アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されている「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/3月12~22日/賞金総額 538万1235ドル/ハードコート)。
月曜日に行われた3回戦で、アンディ・マレー(イギリス)が世界ランキング53位のフェデリコ・デルボニス(アルゼンチン)に4-6 6-4 6-7(3)で敗れて姿を消した。
今大会でのマレーは、2009年に決勝に進出したほか、5度のベスト8の経験はあるものの、近年は初戦負けが2度あり、通算成績では25勝11敗とやや苦手にしている。ボールのバウンドが高く弾み、乾いた空気のため、よく飛ぶ環境の今大会での彼は、決して快適そうにプレーしていない。
マレーはこの数年間は、今大会への準備方法を変えてきていた。大会が始まる数日前には現地入りして練習し、ラケットに張るストリングスのテンションをいつもよりも4~5ポンド下げてプレーしていたのだという。
だが、それらもうまくはいかなかったようだ。
「ここでは自分のベストのテニスができると感じたことはない」とマレー。「本当に自分の思うようにショットが決まらないんだ。ちゃんと打ったはずなのに、ロングになる。いろいろと試したけれど、何がどうなっているのかはっきりとしたことはわからない」とマレーは話している。
第2シードのマレーを2時間46分で倒したデルボニスにとって、彼のキャリアでは2度目となる大きな勝利となった。彼は3年前には当時5位だったロジャー・フェデラー(スイス)をハンブルクの大会の準決勝で倒している。
「観客のこともあって、少しだけプレッシャーも大きくなった。でも、楽しいと言える試合だったよ」とデルボニス。「いつだって挑戦だから、それを乗り越えられるのはうれしいものだからね」。
第3セットのデルボニスは1-4からの逆転だった。3ゲームを連取して4-4のタイに戻すと、そのあとはお互いにサービスゲームをキープして5-5。さらにマレーがブレークされてデルボニスが6-5とリードしたが、マレーもすぐにブレークバックしてタイブレークに持ち込んだ。
だが、デルボニスも簡単にはタイブレークに持ち込ませていない。彼は15-40からデュースまで挽回した上でのタイブレーク突入だった。
「サービスの調子がよくなかった」とマレー。この日のマレーはサービスエースゼロ。3本のダブルフォールトをおかしていた。「いつでもミスが出そうな感じだった。すべてにおいてコントロールが効かない感じだったんだ」。
タイブレークではマレーが先に3-2とリードしたが、デルボニスが巻き返して5ポイントを連取し、試合を終わらせた。デルボニスは強いスピンのかかった重たいボールと、緩急をつけた配球で、最後の3ポイントはマレーからエラーを誘っての勝利だった。最後はマレーのフォアハンドがワイドに外れての幕切れだった。
「速くないこのサーフェスは僕にとってはいい感じだ」とデルボニス。「この手のコートだと僕が好きなスライスも使える。ハードコートでも速くないこういうコートは好きだよ。アグレッシブになれるんだ」。
マレーは2月7日に妻のキムさんが長女のソフィアちゃんを出産して父親になってからは初めてのATPツアー出場だった。また、全豪オープンの決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れて以来のツアー大会でもあった。
「マイアミで家族と会えるのが楽しみだ」とマレー。次戦はマイアミの大会に出場する。「デビスカップでいいプレーができていたから、マイアミではもっといいプレーができると思うよ」とマレーは話している。
マレーは今大会ですでに敗退した選手たちの中では最高位の選手となってしまった。
第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)はアンドレイ・クズネツォフ(ロシア)を6-4 7-6(5)で、第8シードのリシャール・ガスケ(フランス)はアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)を2-6 6-2 6-1で、第10シードのマリン・チリッチ(クロアチア)はレオナルド・メイヤー(アルゼンチン)を6-4 6-3で、第12シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)は第17シードのバーナード・トミック(オーストラリア)が6-2 3-0の時点で手首の故障を理由に棄権したため、それぞれ勝利して4回戦に進んでいる。(C)AP