4月12日からモナコ・モンテカルロで開催された「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(ATP1000/クレーコート)。
日曜日に行われた決勝で、世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第6シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)を7-5 4-6 6-3で下し、この3年間で2度目となる優勝を果たした。
ジョコビッチは今季まだ2敗のみ。インディアンウェルズ、マイアミに続きこのモンテカルロでの優勝で、今季のマスターズ大会では3連勝となり、テニス史上では初のマスターズ大会開幕3連勝を果たしたことになった。
「もちろん、最後に笑顔でトロフィーを受けられることは特別なこと」とジョコビッチ。「これが問題だったんだ。時には醜く勝つことも必要。シーズンのスタートとしては素晴らしい状況だよ」。
「3度続けてマスターズ大会に勝ったという記録は、まだ誰もやったことがない。その事実が僕にさらなるモティベーションを与えてくれたんだ」とジョコビッチは話している。
ジョコビッチはグランドスラム4大会で、まだ全仏オープンのタイトルだけ獲得できていない。今大会ではこの3年間で2度ナダルを倒したが、ジョコビッチは9度の全仏オープン優勝を誇るナダルに3年続けて全仏オープンのタイトルを阻まれている。
「これからのシーズンが今季の中でももっとも重要な時期になると思う」とジョコビッチは言う。「もちろん、ローランギャロスとウインブルドンが最優先。ここで最高のパフォーマンスを発揮したい。でも、一歩一歩、自分のできることから始めていくつもりだ」。
決勝は風が強く、蒸し暑い中で戦われた。両選手ともにサービスキープに苦戦し、また、降雨による中断などでリズムをつかめず、しばしばアンフォーストエラーも見られる試合となった。
ベルディヒは強力なストロークでジョコビッチを押し込み、今大会では初めてジョコビッチからセットを奪ってフルセットに持ち込んだが、最後は不安定さが仇となった。
ジョコビッチはこれで23度目のマスターズ大会のタイトル獲得で、連勝記録も17試合に伸ばしている。
10年前のパリのマスターズ以来、2度目の優勝を目指していたベルディヒは試合の立ち上がりでは2-0とリードしたが、ショットの正確性を維持できず、第1セットの第6ゲームではフォアハンドのミスを連発させてジョコビッチの逆襲を許してしまった。
ベルディヒは「2ポイントほど、自分の思い通りにいかないことがあった」と言いながら、「一方で、僕は相手をハードにプッシュできていたとも思う。今日の試合では自分のやり方で十分にチャンスを作れていたし、それらをモノにできていれば、トロフィーを掲げることもできたと思う」と続けている。
さらに、サービスキープに失敗したベルディヒは3-5で相手のサービスゲームを迎える。しかし、ここではジョコビッチが決めきれず、試合は第12ゲームに入った。ジョコビッチはここでプレーのレベルを上げ、3度目のセットポイントを決めて第1セットを奪って先行した。
第2セット第5ゲームでは、ジョコビッチのダブルフォールトなどで3本のブレークポイントを握ったベルディヒ。だが、彼はこのチャンスを生かせず、5ポイントをジョコビッチに連取されて3-2とリードを許した。そしてこの直後に降雨のために70分間試合が中断した。
この中断はベルディヒにとって恵みの雨となったようで、第7ゲームでのブレークポイントをロングラリーの末にしのいだベルディヒが、さらに深いリターンでジョコビッチのミスを誘って流れをつかみかけた。
だが、第3セットではベルディヒが最初の2ゲームで5本のアンフォーストエラーをおかしたことなどにも助けられて、ジョコビッチが勢いを取り戻し、4-0とリードを広げて試合の流れを掌握。最後は2本目のマッチポイントで、ベルディヒのリターンがロングとなって決着した。
「このタイトルは、僕の心と一緒に戦って得たもの」とジョコビッチは言う。「それが勝てて感じている気持ちだよ」。(C)AP
Photo:MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 19: Novak Djokovic of Serbia celebrates winning a game against Tomas Berdych of Czech Republic in the final during day eight of the Monte Carlo Rolex Masters tennis at the Monte-Carlo Sporting Club on April 19, 2015 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Julian Finney/Getty Images)