日本初開催、ジャパン・ウォリアーズは初陣飾れず [Coca-Cola IPTL]
インカレ室内の本戦が3日(木)からスタート、初日の試合予定
ジャパン・ウォリアーズ、勝ち星まさるも勝負に敗れる [Coca-Cola IPTL]
昨年産声をあげたトッププロによるチームテニスの一大イベント「コカコーラ インターナショナル・プレミア・テニス・リーグ(Coca-Cola IPTL)」。今年から日本が開催地および参加チームに加わり、スケールアップした。
20日間で5ヵ国を転戦していく中での開幕戦が日本ラウンドだ。その舞台は、かつて「イザワ・クリスマスオープン」という人気の大会が20年間続いたワールド記念ホール(兵庫県神戸市)。東京では、先月行われた「ドリームテニスARIAKE」が毎年恒例になっているが、公式戦ではないこうしたテニスのイベントが関西で行われるのは実に稀だ。ましてや、男女の現役選手と引退選手が入り交じったチーム戦など過去に例はない。
錦織圭(日清食品)も、「これだけの選手が揃って日本でプレーするというのは不思議な感覚でした」と言っていたが、錦織とマリア・シャラポワ(ロシア)とマラト・サフィン(ロシア)といった面々が同じベンチに並んで座り、励まし合ったり談笑したりしている光景はそれだけで〈ショー〉になる。もちろん他チームのベンチも同様だ。
ワールド記念ホール(兵庫県神戸市)
◇ ◇ ◇
初日の2日(火)は、午後4時からのファーストセッションでUAEロイヤルズとOUEシンガポール・スラマーズが対決。
OUEシンガポール・スラマーズはニック・キリオス(オーストラリア)がトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)に勝ったのが唯一の白星で、UAEロイヤルズが26-20で快勝した。
ちなみに、このスコアは団体戦を構成する5種目(男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルス、ミックスダブルス、レジェンドシングルス)でそのチームが取ったゲーム数の合計だ。各種目とも6ゲーム先取の1セットマッチ(5-5で7ポイント先取のタイブレーク)で行われる。
〈12月2日(水) DAY1〉 ファーストセッション
UAEロイヤルズ 26-20 OUEシンガポール・スラマーズ
WS ○アナ・イバノビッチ(セルビア)6-3 ●ベリンダ・ベンチッチ(スイス)
MS ●トマーシュ・ベルディヒ(チェコ)2-6 ○ニック・キリオス(オーストラリア)
MD ○トマーシュ・ベルディヒ(チェコ)/ダニエル・ネスター(カナダ)6-5(5) ●マルセロ・メロ(ブラジル)/ダスティン・ブラウン(ドイツ)
MXD ○クリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)/ダニエル・ネスター(カナダ)6-3 ●マルセロ・メロ(ブラジル)/カロリーナ・プリスコバ(チェコ)
MLS ○ゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)6-3 ●カルロス・モヤ(スペイン)
長年テニスを見てきたファンの中には、レジェンド対決を一番楽しみにしているという人も少なくないだろう。このカードでは、2001年ウィンブルドン・チャンピオンのゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)と98年の全仏オープン覇者カルロス・モヤ(スペイン)が対戦した。シングルスだけに、イバニセビッチも4日前の有明コロシアムでの『ドリームテニス』のときほどのおふざけは見せず、ほぼ真剣勝負。強力サービスからの流れるようなサーブ・アンド・ボレーは健在で、42歳が6-3で勝利した。
ゴラン・イバニセビッチ
勝利したUAEロイヤルズ
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そしてセカンドセッションは注目のジャパン・ウォリアーズ対マイクロマックス・インディアン・エーシズ。種目の順番はカードごとに異なる。この対戦はミックスダブルスで始まり、女子シングルスへ続いたが、シャラポワがその両方で勝ち、チームに勢いをつけた。
マリア・シャラポワ(ロシア)
と思いきや、レジェンドの元王者マラト・サフィン(ロシア)が現役時代も苦手だった両手打ちの“マジシャン”ファブリス・サントーロ(フランス)に2-6で完敗。
マラト・サフィン(ロシア)
さらに、錦織がダブルス・ランキング14位のピエール ユーグ・エルベール(フランス)と組んでガエル・モンフィス(フランス)/ロハン・ボパンナ(インド)に4-6で敗れた。エルベールはシャラポワと組んだミックスダブルスに続き、ダブルス巧者ぶりを見せていたが、「僕がダメでした…。ボールが弾むので、感覚がまだ合わなかった」と錦織。続くシングルスではモンフィスになんとか6-4で勝ったが、サーフェスとの相性はあまりよくないようだ。次に登場する最終日には調子を上げられるだろうか。
錦織圭(日本)率いるジャパン・ウォリアーズ
マイクロマックス・インディアン・エーシーズのガエル・モンフィス(フランス)/ロハン・ボパンナ(インド)
ジャパン・ウォリアーズは勝ち星なら3-2で上回ったが、総ゲーム数で24-25の惜敗。負けても競ることに大いに意味がある。そうなると“犯人”探しをしてしまうが、やはりサフィンの「2-6」が痛い。しかし、錦織は「目の前で見るのが初めてだったのはサフィンだけ。ちょっと感動しました」と言っていたし、あいかわらずの“怒りキャラ”全開で楽しませてくれたし、テニス界きってのモテ男だった風貌も衰えなく、女性ファンをときめかせてくれた。よしとしよう。
〈12月2日(水) DAY1〉 セカンドセッション
ジャパン・ウォリアーズ 24-25 マイクロマックス・インディアン・エーシズ
MXD ○マリア・シャラポワ(ロシア)/ピエール ユーグ・エルベール(フランス)6-5(0) ●サーニャ・ミルザ(インド)/ロハン・ボパンナ(インド)
WS ○マリア・シャラポワ(ロシア)6-4 ●サマンサ・ストーサー(オーストラリア)
MLS ●マラト・サフィン(ロシア)2-6 ○ファブリス・サントーロ(フランス)
MD ●錦織圭(日本/日清食品)/ピエール ユーグ・エルベール(フランス)4-6 ○ガエル・モンフィス(フランス)/ロハン・ボパンナ(インド)
MS ○錦織圭(日本/日清食品)6-4 ●ガエル・モンフィス(フランス)
ジャパン・ウォリアーズ(写真)はマイクロマックス・インディアン・エーシズに敗れる
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◎コートサイドから
IPTLのオリジナルルールの中でも、〈コカ・コーラ パワーポイント〉ルールは楽しい。レシーバーがこの行使を宣言すれば、次のポイントを取ったときに2倍になる。ほとんどの場合、本人でなくベンチから行使が決定され、合図される。成功する確率は2割弱といったところだが、1セットに1度だけ使えるこのパワーポイントはなかなかスリリングな場面となる。
それにしても、チケットは高額だ。一番いい席「ダイアモンドVIP」は1日券が10万円。ただし、ラウンジでの食事がつき、スポンサーの『モエ・エ・シャンドン』の高級シャンペンが飲み放題となっている。何よりうれしいのは、プレーヤーと対面して写真撮影やサインなどをしてもらえるという特典だろう。そして、メインプログラムのテニスは最前列のエリアで、午後4時から予定オーバーの10時過ぎまでたっぷり6時間あまり。10万円分、存分に楽しめたことを願う。
(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)
※トップ写真は記者会見に臨む錦織圭とマリア・シャラポワ
※写真撮影◎太田裕史(テニスマガジン)、大会提供
[Coca-Cola IPTL DAY1] PHOTOアルバム更新
ジャパン・ウォリアーズは2連敗、2日目の試合結果 [Coca-Cola IPTL]
男子リーグが開幕、前回優勝の三菱電機が好発進 [第30回テニス日本リーグ]
昨年準優勝の林(早大3年)が接戦を制して8強入り [インカレ室内]
昨年のファイナリストで第2シードの林恵里奈(早稲田大3年)は村瀬早香(慶應義塾大2年)に5-7 7-6(4) 7-5のスコアで勝利した。どのセットも競り合い、一進一退の攻防が続いたが、最後は林に勝利の女神が微笑んだ。
「いいかたちでポイントを取ろうと思い過ぎて空回りしてしまった」と林。勝っても少し納得がいかない表情で、「自分はまだ、こんなもの」と反省しきりだったが、タイトルへの想いは強い。「昨年の準優勝は悔しかった。あと一歩が大きな差なので」。早大の新主将にもなり、全国タイトルへ意欲を燃やす。
女子シングルスの第1シードは加治遥(園田女子大3年)。1回戦は牛島里咲(筑波大1年)を相手に6-3 6-3でストレート勝利を飾った。「集中して試合に臨めたし、しっかりと前に入って打つことができた」と試合を振り返った。
インカレ室内は3年連続の出場。1年生のときがベスト4、2年生の昨年は1回戦で優勝した久次米夏海(山梨学院大3年=当時)に敗れている。「優勝したい気持ちはあるが、ひとつずつ、目の前の試合をしっかりと戦っていきたい」と加治。課題だったサービス力もアップし、着実に力をつけている。明日の2回戦は、またも1年生、押野紗穂(慶應義塾大)との対戦となる。
第3シードの伊藤遥(関西学院大3年)は細沼千紗(早稲田大2年)を6-2 6-4で退けたが、第4シードの寺見かりん(山梨学院大3年)は予選から勝ち上がってきた上唯希(早稲田大1年)に2-6 4-6で敗れた。1年生は上のほかに押野、そして森崎可南子(筑波大)の3人が勝利を収め、ベスト8に進んだ。
明日4日の本戦2日目は男女ともにシングルス準々決勝4試合、ダブルス準決勝2試合が予定されている。
※トップ写真は、2年連続で初戦突破の林
男子は上位4シードがベスト8に進出 [インカレ室内]
男子シングルスの第1シードは竹元佑亮(関西大2年)。春、夏と関西学生を制した関西チャンピオンは、予選から勝ち上がった巽寛人(早稲田大3年)を7-6(6) 6-2のストレートで下し、昨年に続いて初戦を突破した。
これまで何度も対戦があるが、「勝ったことがなかった」と竹元。「焦ってのミスが多かったので、今回は我慢し、チャンスのときはきっちりと攻めることができた」。狙うは優勝だが、「一戦一戦、気持ちを強くもって戦っていきたい」と力強く語った。
第2シードの諱五貴(明治大3年)は三好健太(早稲田大2年)に7-6(3) 7-5。三好の粘り強いプレーに苦しんだが、最後は逃げきった。「少し硬かった。でも何とか勝つことができてよかった」と諱。
11月の全日本テニス選手権ではベスト16入り。先週の豊田市での「ダンロップ スリクソン ワールドチャレンジ」でも予選から本戦2回戦進出。ATP9ポイントを獲得し、勢いを持って大会に乗り込んできた。夏のインカレは準優勝に終わっているだけに、「今度こそタイトルがほしいですね」と口にした。
シングルスの本戦は16ドローと少ない。優勝候補のひとりでもあった上杉海斗(慶應義塾大2年)は慶應チャレンジャーで負傷し、出場を見送った。最多人数は早稲田大の5人で、明治大4人、関西大3人と続く。しかし、早稲田大で1回戦を突破したのは村松勇紀(3年)ひとりのみだった。
明日4日の本戦2日目は男女ともにシングルス準々決勝4試合、ダブルス準決勝2試合が予定されている。
※トップ写真は、1回戦を突破した第1シードの竹元
[インカレ室内 DAY1] PHOTOアルバム更新
錦織不在でジャパン完敗、チームムードはなお良好 [Coca-Cola IPTL]
大会会場のワールド記念ホール(兵庫県神戸市)
DJ担当
※トップ写真は試合後のジャパン・ウォリアーズ(手前)とUAEロイヤルズ
※写真撮影◎太田裕史(テニスマガジン)、大会提供
[Coca-Cola IPTL DAY2] PHOTO更新 セレナ・ウイリアムズ来日
本戦2日目の試合結果 [インカレ室内]
ジャパン・ウォリアーズはホームで初勝利ならず、3日目の試合結果 [Coca-Cola IPTL]
男子は名古屋(愛知)、女子は椙山女学園(愛知)が優勝 [H27選抜高校テニス東海大会]
女子リーグがスタート、島津製作所と橋本総業が快勝で1勝目 [第30回テニス日本リーグ]
[第30回テニス日本リーグ] 男子1stステージ第2戦目の結果
4年生の松本(亜大)がベスト4に進出 [インカレ室内]
男女を通じ、8強に残った唯一の4年生・松本千広(亜細亜大)が、第3シードの伊藤遥(関西学院大3年)を7-5 6-2で下してベスト4に駒を進めた。近年のインカレ室内は4年生の出場が少ない。その前に“引退”してしまうからだ。松本も出場を迷った。しかし「納得のいく結果を残せていない。最後までやりきろう」と出場に踏みきった。
伊藤のストロークは的確だったが、松本が緩急を使い、うまくミスを引き出した。「攻めきれなかった」が、その分、しっかりと守った。左右に振られてもよく拾い、逆に切り返し、着々とポイントを重ねた。最後のインカレにかける執念がプレーに表れていた。
予選勝ち上がり同士の戦いとなった上唯希(早稲田大1年)と鵜飼美希(東海学園大3年)の準々決勝は、上が1-6 7-5 6-3で逆転勝利を収めた。第1セットを失った上は第2セットも3-5まで追い込まれたが、4-5にしてからの第10ゲームでこの試合、初のブレークに成功。5-5に追いつき、生き返った。鵜飼の威力あるボールに最後まで手こずったが、しっかりと勝利をものにした。男女を通じ、1年生で唯一の4強入りだ。
昨年のファイナリストで第2シードの林恵里奈(早稲田大3年)も森崎可南子(筑波大1年)に3-6 6-2 6-3で逆転勝ち。第1セットは森崎のボールにおされてミスが多かったが、第2セットからは「だんだんと相手のスピードにも慣れてきた」。攻め急がず、ラリー戦に持ち込み、自分のペースに引き込んだ。1回戦に続いての逆転勝ちだが、「もっと最初からギアを上げていかないと」と反省も忘れなかった。
第1シードの加治遥(園田女子大3年)は押野紗穂(慶應義塾大1年)に6-1 6-2と付け入る隙を与えずに快勝。「落ち着いて戦うことができた」と加治。押野が粘り強いプレーヤーであることは知っており、だから「最後まで気を緩めることなく戦った」と話した。押野は球足の速いコートに苦しみ、「足がついていかなかった。もっと練習しないと」と肩を落とした。
明日5日のシングルス準決勝は、加治と上、林と松本が対戦する。ダブルス決勝は加治遥/渡辺はるか(園田女子大3年/1年)と林恵里奈/上唯希(早稲田大3年/1年)の対戦となり、加治、林、上には単複2冠の可能性が残されている。林はインカレ室内ではダブルス負けなしで3連覇がかかっている。
※トップ写真は、ストレート勝利で準決勝に進んだ松本
予選突破の塚越(法大3年)が第1シードの竹元(関大2年)を下して準決勝進出 [インカレ室内]
ベスト4へ一番乗りを決めたのは塚越雄人(法政大3年)。第1シードの竹元佑亮(関西大2年)を6-3 6-4のストレートで退けた。「粘り強く戦うことができた。ラリーで自分のペースに持ち込むことができた」と勝因を語った。
塚越は予選からの快進撃。昨日の1回戦は松崎勇太郎(早稲田大3年)に3-6 2-5から逆転勝ち。「あれが大きかったし、自信になった」。一発で決めるショットはないが、堅実なストロークと俊敏なフットワークが武器。明日の準決勝も「チャレンジャーのつもりで戦う」と口にした。
中村侑平(関西大3年)は第3シードの澁田大樹(明治大3年)を6-1 5-7 6-4のスコアで下した。第2セットは勝利を意識し、守りに入って手放したが、ファイナルセットは気持ちを立て直した。意識して取り組んでいるスピン系のボールを織り交ぜ、接戦をものにした。「今やろうとしていることができてきて、それが結果につながっている」と中村。全国大会では初の4強入りとなる。
関西大からは中村に続き、第4シードの染矢和隆(3年)もベスト4に進んだ。早稲田大から唯一、8強に残った村松勇紀(3年)を相手に2-6 7-6(4) 7-5。「タフマッチになることは覚悟していた。最後まであきらめずに戦うことができた」と染矢。第1セットは簡単に落としたが、そこから必死にくらいつき、接戦をものにした。
第2シードの諱五貴(明治大)は予選から勝ち上がってきた山田晃大(法政大3年)に6-3 6-2。2試合連続でストレート勝利を飾った。一度だけブレークされたが、すぐにブレークバックに成功。試合の流れを手放さなかった。「インドアは好きだし、自分のプレーができている」と笑顔で語った。
明日5日のシングルス準決勝は、塚越と染矢、諱と中村が対戦する。全員が3年生。ダブルス決勝は松崎勇太郎/河野優平(早稲田大3年/2年)と小堀良太/坂井勇仁(早稲田大3年/1年)の早稲田対決となった。河野は2年連続のダブルス優勝がかかる。
※トップ写真は、予選からベスト4入りを決めた塚越