大阪・靱テニスセンターで開催されている「大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス」(本戦10月12~18日)は第2日、シングルス1回戦の残りを終えた。64ドロー中、男子は28人の日本選手がいたが、うち2回戦へ駒を進めたのは9人。女子は24人中10人が1回戦を突破した。
今大会、男女を通じて最年少の13歳、佐藤久真莉(CSJ)は逆転負けで金星を逃したが、もう一人の佐藤…14歳の佐藤南帆(有明ジュニアTA)は第16シードのレア・ボスコビッチ(クロアチア)を6-2 3-6 6-3で破った。全日本ジュニアの12歳以下と14歳以下のタイトルを持つ佐藤(南)だが、この大会は初出場だ。
ボスコビッチは第16シードの16歳。世界ジュニアランキングは204位の佐藤(南)に対して119位だが、ランキング差よりも目立つのが体格差で、頭一つは優に違う。
しかし、「サーブは強かったけど、ストロークはそんなに怖くなかったのでラリー戦で勝負しようと思いました。ミスを怖がらないで、厳しいコースも狙っていけたのがよかった」と佐藤(南)。作戦は立ち上がりから功を奏した。第1セットを6-2で奪い、第2セットは落としたが、最終セットでふたたび流れを引き戻した。
グレードAの大会での初勝利にも小さくガッツポーズをしただけで、「次も勝って、第2シードと対戦したい」と話した。2回戦は予選上がりの松田美咲(浦和学院高)との日本人対決となる。3つの年の差があるが、6月にはタイのグレード4の大会で佐藤(南)が接戦の末に勝っている。とはいえ、今年のインターハイ・ベスト4の松田にも年上の意地があるだろう。
また、佐藤(南)が対戦を楽しみにしている第2シードのジェン・ウーシュアン(中国)だが、2回戦の相手は日本のリュー理沙マリー(沖縄尚学高)だけに、まずはリューの挑戦に期待しよう。
オーストラリア選手を破り、2回戦に進出した川上倫平
男子も年少者ががんばっている。昨日初戦を突破した15歳の田島尚輝(TEAM YONEZAWA)に続き、同じく15歳の川上倫平(狛江インドアジュニアATPチーム)がコディ・ピアソン(オーストラリア)を破り、初出場白星を挙げた。2回戦に進んだ男子で15歳は最年少で、もう一人第12シードのニコラ・クーン(ドイツ)。
本日からダブルスもスタートした。全日本ジュニア18歳以下優勝の小林雅哉(東京学館浦安高)は、シングルスでは第5シードのミオミール・ケクマノビッチ(セルビア)のパワフルなストロークの前に1-6 5-7で屈したが、島袋将(四日市工業高)と組んだダブルスは、第8シードのアレクセイ・ポピュリン(オーストラリア)/エルギ・キルキン(トルコ)に2-6 6-3 [10-8]で逆転勝利。小林は今年のインターハイのダブルス準優勝者で、島袋は昨年のインターハイのダブルス・チャンピオンだ。公式戦で初めてペアを組む二人だが、シードを倒した勢いに期待したい。
そのほか地元大阪の清風高校の先輩・後輩ペア、望月勇希/今村昌倫はワイルドカード(主催者推薦)のチャンスを生かしてフィン・バス/アレクシス・カンターのイギリスペアから6-1 7-6(4)で勝利を挙げた。
女子では、昨日シングルスで敗れた村松千裕(吉田記念テニス研修センター)が相川真侑花(Gomez Tennis Academy)と組んで第3シードとして臨んだが、マ・シーユエ/ワン・シユの中国ペアに6-3 3-6 [6-10]で逆転負けした。女子では日本で唯一のグランドスラム・ジュニア常連である村松の単複初戦敗退は実に残念だ。
(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)
※トップ写真は佐藤南帆