「4強」以外の優勝者は生まれるか? [全米オープン]
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錦織の “賭け” は敢行されるのか、最終決断は明日 [全米オープン]
[全米オープン開幕直前 MOVIE] 錦織圭、奈良くるみ、クルム伊達公子、ダニエル太郎
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錦織圭 記者会見 [全米オープンMOVIE]
奈良くるみ 大会直前インタビュー [全米オープンMOVIE]
クルム伊達公子 ロングインタビュー [全米オープンMOVIE]
ダニエル太郎 予選突破後インタビュー [全米オープンMOVIE]
(WOWOW)
久見香奈恵、岡村恭香ら日本人4選手が予選突破 [セキショウ国際女子オープン]
奈良くるみがシード選手としての初戦を勝利で飾る [全米オープン]
第10シードの近藤大基(慶應義塾大)が気迫の優勝 [インカレ]
※トップ写真は、優勝を決めてガッツポーズの近藤
2度のマッチポイントを凌いで吉冨愛子(早稲田大)がV [インカレ]
『平成26年度全日本学生テニス選手権大会(男子82回/女子58回)』(予選8月14~16日、本戦8月19~25日/岐阜メモリアルセンター)の第7日/最終日は、女子シングルス、ダブルスともに決勝が行われ、女子シングルスは第2シードの吉冨愛子(早稲田大3年)が第3シードの西本恵(慶應義塾大3年)を6-3 3-6 7-5で下して優勝を決めた。
予想通りの接戦となった。第1セットは吉冨が果敢に攻め立てて6-3で先取。だが、西本も負けてはいない。怯むことなく打ち込んで、お返しとばかりに第2セットを6-3で奪い返す。躍動感あふれる吉冨のプレーと力強い西本のテニス。お互いが持ち味を発揮し、勝敗の行方はファイナルセットへともつれ込んだ。
吉冨は「冷静な判断ができなくなっていた」と言う。第1セットを先取したものの、以後は打ち急いでリズムを失い、ファイナルセットは2-5まで追い込まれる。第8ゲームでは2度のマッチポイントを握られた。しかし、逆に「もういくしかない」と開き直ることができた。この大ピンチを凌ぐと、吉冨には西本が優勝のプレッシャーに苦しんでいるのがはっきりとわかった。
2-5から5-5に追いついた吉冨の勢いは止まらない。気迫を前面に押し出し、守りに入ることなく、しっかりとラケットを振り抜いていった。西本も悪い流れを断ち切ろうと全力で立ち向かう。だが、ポイントは取っても続かない。勝利の女神は吉冨に微笑み、3時間58分の濃密なる戦いが終わりを告げた。
決勝を争った吉冨(左)と西本
「第2セット、ファイナルセットの内容がどうあれ、ずっと欲しかったタイトル。だから素直にうれしいです」と試合後の吉冨。ファイナルセット2-5とマッチポイントを握られた場面を振り返り、「4回戦、準々決勝も2-5から逆転に成功していたので、まだまだ前向きでした」と苦笑した。
昨年の大学王座から意識が変わった。将来のことを考えたとき、今の自分の立場は中途半端に感じた。「甘えていたんだと思います」。卒業後は選手活動を続けたい。であれば徹底的にやりきろう。練習に取り組む姿勢から変え、テニスと正面から向き合った。今回の優勝は、その成果の表れでもあった。
西本は「勝てそうな試合だったし、勝てた試合だった。最後に打ち切れない弱さがあった」と静かに敗戦を受け入れた。2度のマッチポイントを逃しても焦りはなかった。だが、一度失ったリズムは最後まで取り戻せなかった。あと1ポイントが近いようで、とてつもなく遠かった。つらい敗戦には違いない。だが、この悔しさがまた西本をひと回り成長させるだろう。
準優勝に終わった西本
女子ダブルス決勝も男子と同様に早稲田対決となり、第2シードの梶谷桜舞/林恵里奈(3年/2年)が第3シードの間中早紀/吉富愛子(4年/3年)を6-0 2-6 10-5で下し、優勝を決めた。「実感がわかない」と声を揃えた梶谷/林。昨年は2回戦敗退。「先を見過ぎたこと」が敗因だった。今年は目の前の試合に全力投球。見事に頂点にたどりついた。
優勝を決めて喜ぶ梶谷(左)/林
※トップ写真は、優勝が決まった瞬間の吉冨
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奈良が初戦快勝、クルム伊達はビーナスに、ダニエルはラオニッチに敗れる [全米オープン]
昨年は予選上がりの109位だった奈良が今年はシード選手。グランドスラムで初のシード、第31シードで臨む全米オープンの景色は去年とはまったく異なるだろう。当然、多少のプレッシャーはあった。だがそんなものは吹き飛ばしてしまう初戦だった。
相手は97位とはいえケガからの復活途上であり、最高時には21位だったウォズニアク。しかも一昨年に完敗しているが、わずか59分、6-2 6-1で片付けた。
勝ち急がず、かといって守りに入ることもなく、自分のショットを、自分のペースで組み立てて相手のミスを多く引き出した。
「ラリー戦では確実に上回れているという自信があった」
その自信が圧勝の源だ。チャレンジする立場からされる立場になっても、「まず相手の力を認めてから挑む」ことが、向かっていく気持ちを失わない秘訣だという。2回戦の相手は期待の17歳ベリンダ・ベンチッチ。まさに、奈良の今の心持ちが試される。
43歳と34歳という今大会の年長者トップ2の激突に、海外メディアも注目した。第1セットを伊達が6-2で奪ったことでざわつきが増したが、第2セットは同じようにはいかなかった。ライン際へのショットを速いテンポで繰り出し、ビーナスをきりきり舞いさせていた伊達だが、そのショットにミスが増えていく。4-0までリードを広げられ、結局3-6でセットを落とすと、第3セットは一気に5ゲームを連取された。そこから3ゲームを奪い返すあたり、若い頃から知られた「逆転の伊達」の片鱗を見せたが、43歳の伊達に戦況を覆しきるだけの余力はなかったのかもしれない。
「向こうは劣勢になったときにまだ他の引き出しがあった。私のほうは競ったところでギアをもう一つ上げることができなかった」
これまでの対戦成績はビーナスの3勝0敗とはいえ、2度はタイブレークが絡むフルセットの接戦だった。ビーナスはそんな伊達との戦いから学んでいたのだ。第2セットからはパワーに頼らずペースを使い、風上からは有効なトップスピンを多用するなど、戦法を変え、伊達にリズムをつかませなかった。
予選を突破し、グランドスラム初の本戦入りを果たしたダニエル。席数1万あまりのルイ・アームストロング・スタジアムで世界ランクを自己
最高の6位に上げているラオニッチに挑んだ。
とにかくビッグサーブに苦しめられた。時速200km台連発の中でもスタンドをどよめかせたのが時速225kmのセカンドサーブだ。第2セット第6ゲームの40-0という場面だった。ラオニッチはそれほどの余裕を持ってゲームを進めていた。サーブだけではない。長いリーチを生かした角度のあるフォアハンドはベースラインからも鋭く突き刺さり、ダニエルはラリーで主導権を握れない。
ラオニッチのサービング・フォー・ザ・マッチとなった第10ゲームで初めてブレークに成功したダニエル、最後に見せた意地は「これからにつながるいいサイン」と振り返ったが、タイブレークでは経験の差が出た。
「僕にはまだうまくなるスペースがあるし、体もちょっとヒョロヒョロしているからまだ力をつけられるので、これからが楽しみです」。生い立ちが国際色豊かなダニエルらしい独特の表現で、自分自身への期待を語った。