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「4強」以外の優勝者は生まれるか? [全米オープン]

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 2人の23歳、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)とグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)は、ともに先のウィンブルドンでベスト4に進出してブレイクスルーを果たした。

 今年の全米オープンは、新世代の選手たちにとっては大きな転換点になるのではないだろうか。ここ最近のグランドスラムは、いわゆる「ビッグ4」の選手たちに独占されていたが、彼らもいわゆるベテランの域に入り、状況が変わりつつある。

 「グランドスラムのタイトルを争えるような若い選手たちはそう多くない」とジョコビッチは言う。「何かが起きるとすれば今だろうね。でも、グランドスラムでの優勝にはまだまだ遠い道のりが残っていると思うよ。一夜でどうにかなるというものではないからね」。

 28歳のスタン・バブリンカ(スイス)は1月の全豪を制し、それまで16大会続けてジョコビッチ、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、アンディ・マレー(イギリス)の4人に独占されていたグランドスラムでの優勝を果たした。また、32歳のダビド・フェレール(スペイン)、28歳のトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)の2人だけが、「ビッグ4」以外で決勝に辿りついた選手だ。

 月曜日にスタートする全米オープンでは、ジョコビッチ、マレー、バブリンカ、マリア・シャラポワ(ロシア)とビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)が登場する。また、前哨戦で大活躍だった29歳のジョーウィルフライ・ツォンガ(フランス)も登場する予定だ。ツォンガは2008年全豪ではジョコビッチに敗れて準優勝。前哨戦のトロントではジョコビッチ、マレー、ディミトロフ、そしてフェデラーを破って優勝している。
 
 スポーツとして、よりフィジカルが要求されるようになったのが今のテニス。グランドスラムでは10代の選手たちだけでなく、20代前半の選手たちも減っている。

 「トレーニング技術の発達で、自分のフィジカルのピークがくるには時間がかかるとみんなが気づいたのが今の状態だ」とUSTAでプレーヤー強化のゼネラルマネージャーを務めるパトリック・マッケンローは話している。

 その結果として、一般的にテニスではそう若くないとされる年齢層の選手たちが、もっとも大きなプレッシャーがかかる試合の経験をほとんど積んでこられていない。それが、過去38大会のグランドスラムで、「ビッグ4」が36大会で優勝しているということに現れている。

 ナダルが初めてグランドスラムを制した2005年全仏のさらに5年前は、ピート・サンプラス(アメリカ)の時代が終わり、フェデラーの時代になった頃だったが、その頃には20大会のグランドスラムで12人の違う選手たちが優勝していた。うち6人の選手たちは、それが唯一のグランドスラム・タイトルとなっていた。

 マレーが2008年の全米で初めてグランドスラムのベスト4に進出して以来、96あるベスト4の枠のうち、63を「ビック4」の選手たちが独占。また、2006年の全仏で初めてフェデラーとナダルが決勝を戦って以来、グランドスラムの決勝は68回行われたが、うち58回が「ビッグ4」によるもので、2010年全米から2013年全豪までは、10大会続けて「ビッグ4」の決勝だった。

 「みんなにとってたいへんな時代だったというのは確かだと思う」とラオニッチは言う。

 特に若手にとっては辛い時期だった。2006年全仏以降で、グランドスラムの決勝を戦った8人の選手たちのうち、24歳以下だったのはツォンガとフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)だけだ。

 「僕は本当にせっかちだからね。とにかく早く結果が欲しいんだ」とディミトロフは言う。「今の時代はテニスが変わっていて、すごい変化を遂げないと、そういうことは起きないというのは忘れていないけどね」。

 2009年全米でフェデラーと決勝を戦い、破ったのは20歳のデル ポトロだった。それは新世代の登場と思われたが、そうはならなかった。デル ポトロは現在25歳となり、故障のため今年の大会を欠場している。

 彼と、彼の同世代の選手たちが、上位から明らかに欠落している。現在のトップ10には2人の23歳の選手がいるが、それ以外は全員が27歳より上なのだ。

 20代半ばで活躍している選手と言えば、錦織圭(日清食品)やエルネスツ・グルビス(ラトビア)、マリン・チリッチ(クロアチア)などがいるが、彼らはまだコンスタントに上位を争えているというわけではない。

 ジョコビッチとマレーは1987年生まれで誕生日もほとんど変わらない。ナダルは彼らの1歳上というだけだ。ナダルはこの全米には手首の故障で出場していないが、もし、今後も彼らがこのまま健康を維持できるのなら、テニス界のトップの独占は、いましばらく続くことになるだろう。(C)AP




Photo:FILE - In this Sept. 9, 2013, file photo, Rafael Nadal, of Spain, holds up the championship trophy after winning the men's singles final over Novak Djokovic, of Serbia, at the 2013 U.S. Open tennis tournament in New York. Nadal will not defend his title at the U.S. Open because of an injured right wrist. Nadal and the tournament announced his withdrawal Monday, Aug. 18, 2014, a week before the year's last Grand Slam tournament begins. (AP Photo/Darron Cummings, File)

[最新WTAランキング] 8月25日付

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■WTAシングルスランキング(08月25日現在)

順位(前週) 名前(国籍) ポイント(前週ポイント)

1.(1) セレナ・ウイリアムズ(アメリカ) 9,430(9,430)
2.(2) シモナ・ハレプ(ルーマニア) 6,310(6,750)
3.(3) リー・ナ(中国)  6,170(6,170)
4.(4) ペトラ・クビトバ(チェコ) 5,956(5,806)
5.(5) アグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド) 5,590(5,590)
6.(6) マリア・シャラポワ(ロシア) 5,335(5,335)
7.(7) アンジェリック・ケルバー(ドイツ) 4,550(4,550)
8.(8) ユージェニー・ブシャール(カナダ) 4,405(4,368)
9.(9) アナ・イバノビッチ(セルビア) 4,065(3,605)
10.(10) エレナ・ヤンコビッチ(セルビア) 3,695(3,695)

21.(25) サマンサ・ストーサー(オーストラリア) 2,045(1,920)

31.(38) カミラ・ジョルジ(イタリア) 1,465(1,282)

33.(32) 奈良くるみ(日本/安藤証券) 1,412(1,412)

43.(68) マグダレナ・リバリコバ(スロバキア) 1,140(836)

88.(89) クルム伊達公子(日本/エステティックTBC) 650(650)

90.(91) 土居美咲(日本/ミキハウス) 643(639)

152.(152) 江口実沙(日本/北日本物産) 385(385)
156.(149) 森田あゆみ(日本/キヤノン) 372(391)
175.(174) 穂積絵莉(日本/レック興発) 330(330)
179.(176) 桑田寛子(日本/島津製作所) 321(329)
194.(194) 瀬間詠里花(日本/Club MASA) 283(283)
209.(209) 今西美晴(日本/島津製作所) 261(261)
210.(210) 尾﨑里紗(日本/ロイヤルヒル'81テニスクラブ) 259(259)
214.(214) 日比野菜緒(日本/橋本総業) 254(254)


Photo:Petra Kvitova, of the Czech Republic, left, and Magdalena Rybarikova, of Slovakia, celebrate after Kvitova's 6-4, 6-2 victory in the final match of the Connecticut Open tennis tournament in New Haven, Conn., on Saturday, Aug. 23, 2014. (AP Photo/Fred Beckham)

[最新ATPランキング] 8月25日付

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■ATPシングルスランキング(08月25日現在)

順位(前週) 名前(国籍) ポイント(前週ポイント)

1.(1) ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 12,770(12,770)
2.(2) ラファエル・ナダル(スペイン) 10,670(10,670)
3.(3) ロジャー・フェデラー(スイス) 7,490(7,490)
4.(4) スタン・バブリンカ(スイス) 5,985(5,985)
5.(5) ダビド・フェレール(スペイン) 4,765(4,765)
6.(6) ミロシュ・ラオニッチ(カナダ) 4,225(4,225)
7.(7) トマーシュ・ベルディヒ(チェコ) 4,060(4,060)
8.(8) グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア) 3,540(3,540)
9.(9) アンディ・マレー(イギリス) 3,150(3,150)
10.(10) ジョーウィルフライ・ツォンガ(フランス) 2,920(2,920)

11.(11) 錦織圭(日本/日清食品)  2,680(2,680)

27.(33) ルーカシュ・ロソル(チェコ) 1,285(1,120)

34.(38) ルー・イェンシュン(台湾) 1,118(1,073)

43.(52) ジャージー・ヤノビッチ(ポーランド) 995(855)

56.(62) ダビド・ゴフィン(ベルギー) 828(793)

106.(107) 添田豪(日本/GODAIテニスカレッジ) 554(554)
126.(127) 伊藤竜馬(日本/北日本物産) 478(478)
128.(128) 杉田祐一(日本/三菱電機) 467(467)
149.(149) 守屋宏紀(日本/北日本物産) 382(382)
186.(186) ダニエル太郎(日本/エイブル) 274(274)
241.(242) 内山靖崇(日本/北日本物産) 205(205)
245.(246) 西岡良仁(日本/ヨネックス) 200(200)


Photo:Lukas Rosol, of Czech Republic, kisses the trophy after defeating Jerzy Janowicz, of Poland, in the championship match of the Winston-Salem Open tennis tournament in Winston-Salem, N.C., Saturday, Aug. 23, 2014. Rosol won 3-6, 7-6 (3), 7-5. (AP Photo/Chuck Burton)

錦織の “賭け” は敢行されるのか、最終決断は明日 [全米オープン]

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 錦織圭(日清食品)が楽しみにしていた全米オープンのプレビューに「望みなし」とは書きたくなくて、少しでもポジティブなことをと探していたら、とうとう開幕の日になってしまった。

 今月初めに、右足親指にできた嚢胞(のうほう)を手術した錦織は、「今のところは出るつもり。でもまだどうなるかわからない。最終決断は試合当日」という現状を知らせて、2日前の記者会見を終えている。試合は2日目と決まった。錦織が入っているドローのトップハーフはほとんどの試合が開幕日に組まれているが、前週の大会で決勝まで残ったルーカシュ・ロソル(チェコ)などとともに、錦織の試合も入らなかった。たった一日でも余分にほしい錦織への大会側の配慮がうかがえる。

 それにしても、ここまで絶好調とケガが交互に訪れるのがもどかしい。マイアミ・マスターズでのベスト4入りも準決勝棄権というかたちで幕を閉じ、マドリッドではマスターズシリーズ初の決勝を途中棄権。ついにトップ10入りを果たしたものの、腰を痛めて全仏オープンに向けての準備ができずに1回戦で敗れた。そんな中、ウィンブルドンではミロシュ・ラオニッチ(カナダ)やグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)といった年下のライバルがグランドスラムのベスト4入り。先を越された。

 自分は全米オープンで、という思いが強かっただろう。あまり得意ではなかったクレーや芝での成長はすべてここにつながるはずだった。しかしこの3週間、試合はおろか練習もろくにできず、コートでラリー練習を再開してからまだ数日しか経っていない。ラリーといっても試合を想定したようなものではない。試合での打ち合いは別物だ。

 「しっかりした練習とポイント練習があってこそいいプレーが出る」という本人の言葉を聞くまでもなく、練習不足の影響の大きさは想像できる。失った試合勘はそう簡単には取り戻せないだろう。だが、「とりあえず1試合戦って、調子を上げていくしか方法がないので、それに賭けてみる」と錦織。その気持ちを挫けさせるような、痛みのぶり返しなどが起こらない限り、錦織は賭けのコートに立つに違いない。グランドスラムはそれほどの舞台なのだ。

 気になる初戦の相手は176位のウェイン・オデスニック(アメリカ)。勢いのある予選通過選手ではなくワイルドカード(主催者推薦)で、今の錦織にとってこれ以上のラッキードローは望めない。対戦歴はないが、拠点がフロリダということもあり、昔からよく知っているという。

 ただ、このオデスニックが4年前に起こした〈事件〉を憶えている方もいるだろう。オーストラリアに入国する際、禁止薬物の『ヒト成長ホルモン』を所持していて逮捕された。テニス界からも実質1年間の出場停止の罰が科されたが、印象的だったのは、このとき選手仲間から非常に厳しい声が上がったことだ。「ドーピングではなく犯罪なのに、処分が軽すぎる」とか「テニス界を追放してもいいくらい」といったものだった。しかしツアーに戻ると、失っていたランキングもこうして100位台に戻している。相当〈図太さ〉があるのだろう。本来錦織の敵であるはずもないが、嫌な相手だという気もしてくる……。

 気弱になると、マイケル・チャン・コーチからは強い口調で「軽く洗脳」されるそうだ。練習不足は紛れもない事実。補うのはメンタルだ。気のいい錦織にあと少しの〈図太さ〉を期待し、賭けに勝利することを願う。

(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)


錦織圭 記者会見 [全米オープンMOVIE]
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[全米オープン開幕直前 MOVIE] 錦織圭、奈良くるみ、クルム伊達公子、ダニエル太郎

久見香奈恵、岡村恭香ら日本人4選手が予選突破 [セキショウ国際女子オープン]

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 茨城県・筑波北部公園テニスコートで行われている「第28回セキショウ国際女子オープンテニストーナメント2014」(本戦8月27~31日/賞金総額 2.5万ドル/ハードコート)の予選2日目は、シングルス予選決勝とダブルス予選が行われた。

 シングルスでは、第9シードの久見香奈恵(フリー)、第11シードの越野由梨奈(フリー)、第15シードの岡村恭香(むさしの村ローンテニスクラブ)、喜島瑞乃(フリー)の日本人4選手が予選を突破し、26日(火)から始まる本戦への出場権を獲得した。
 第4シードの岡田上千晶(エームサービス)は第16シードのチャン・カイチェン(台湾)に2-6 2-6で敗れ、本戦入りはならなかった。

予選を突破した元世界ランク82位のチャン・カイチェン


 ダブルスは岡村/サビーナ・シャリポワ(ウズベキスタン)とシュ・チンウェン/リー・ヤーシュエン(台湾)が予選突破を果たした。詳しい結果は以下の通り。

 この大会は今年14大会開催される、国際テニス連盟(ITF)公認の国際大会の第9戦目で、筑波・能登と2大会連続開催される国内ITF2.5万ドルシリーズの第1戦となる。

 8月26日(火)から本戦がスタートする。本戦初日は9時30分から、シングルス1回戦6試合とダブルス1回戦7試合が予定されている。 


【シングルス予選決勝】

○ティアン・ラン(中国)[10] 4-6 7-6(3) 6-4 ●ピアンタン・プリプーチ(タイ)[1]

○久見香奈恵(フリー)[9] 6-2 6-3 ●田中優季(メディカルラボ)[2]

○岡村恭香(むさしの村ローンテニスクラブ)[15/WC] 6-3 6-3 ●ヌニダ・ルアンナム(タイ)[3]

○チャン・カイチェン(台湾)[16] 6-2 6-2 ●岡田上千晶(エームサービス)[4]

○越野由梨奈(フリー)[11] 4-6 7-5 6-3 ●シュ・チンウェン(台湾)[5]

○リー・ヤーシュエン(台湾)[6] 6-2 6-1 ●米村明子(島津製作所)[13]

○喜島瑞乃(フリー)6-3 6-3 ●美濃越舞(YCA)[12]

○タマリーン・タナスガーン(タイ)[14] 6-2 6-1 ●二宮真琴(橋本総業)[8]

 

上位シード選手を倒して本戦入りを決めた久見香奈恵(左)と越野由梨奈(右)


【ダブルス予選】

○岡村恭香/サビーナ・シャリポワ(むさしの村ローンテニスクラブ/ウズベキスタン)6-4 6-4 ●鮎川真奈/宮﨑優実(橋本総業/ASIA PARTNERSHIP FUND)[1]

○シュ・チンウェン/リー・ヤーシュエン(台湾)[2] 6-2 6-4 ●ユキ クリスティーナ・チャン/山外涼月(アメリカ/橋本総業)[WC]

ダブルス予選を勝ち上がった岡村恭香(左)/サビーナ・シャリポワ


※[ ]数字はシード順位、WCはワイルドカード(主催者推薦枠)

※トップ写真は単複ともに予選を突破した岡村恭香
写真提供◎関彰商事株式会社

※大会オフィシャルサイトはこちら

奈良くるみがシード選手としての初戦を勝利で飾る [全米オープン]

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 アメリカ・ニューヨークで開幕した「全米オープン」(本戦8月25日~9月8日/ハードコート)の女子シングルス1回戦で、第31シードの奈良くるみ(安藤証券)がアレクサンドラ・ウォズニアク(カナダ)を6-2 6-1で下し、シード選手として初めて臨んだグランドスラムの初戦を勝利で飾った。試合時間は59分。

 奈良は、予選を突破して初の本戦出場を果たした昨年(3回戦進出)に続いて、2年連続となる初戦突破。グランドスラムでは昨年の全米から5大会連続の初戦勝利となる。

 奈良は2回戦で、ベリンダ・ベンチッチ(スイス)とヤニナ・ウィックマイヤー(ベルギー)の勝者と対戦する。

第10シードの近藤大基(慶應義塾大)が気迫の優勝 [インカレ]

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『平成26年度全日本学生テニス選手権大会(男子82回/女子58回)』(予選8月14~16日、本戦8月19~25日/岐阜メモリアルセンター)の第7日/最終日は、男子シングルス、ダブルスともに決勝が行われ、男子シングルスは第10シードの近藤大基(慶應義塾大4年)が第13シードの岡村一成(早稲田大4年)を6-2 7-6(3)のストレートで下し、優勝を飾った。
 
 決勝の舞台に立ったのは、2人の4年生、近藤と岡村だった。最終学年、最後の夏。優勝したいという気持ちは、どちらも強かっただろう。立ち上がりは両者ともにサービスキープに成功したが、次はお互いがサービスブレークを許すなど、硬さの見えるスタートとなった。
 
 岡村は得意のフォアハンドでミスが目立った。準決勝までは自信を持って打ち込んでいたショットに精彩を欠いた。「フォアで主導権を握れず、焦ってしまった」。近藤のスピンの効いた重いボールに押され、2-2から4ゲームを失い、第1セットを手離した。
 
 近藤はよく拾い、よく粘った。第2セットも我慢のテニスで4-2とリードを広げる。だが、優勝まであと2ゲームに迫ったところで、タイトルを意識してしまった。崖っぷちの岡村が開き直ったこともある。4-2から3ゲームを奪われ、気づけば4-5と逆転されていた。
 

巻き返しに転じた岡村
 
 それでも近藤は崩れなかった。4-5、5-6になっても、落ち着いてサービスキープして追いつき、第2セットはタイブレークに突入。そこでも積極的に仕掛け、一気に4-0とリードを広げる。最後はポイント7-3で勝利を手にした。優勝が決まった瞬間、近藤は両手を高々と挙げ、最高の笑顔を浮かべた。
 
 「緊張して足がつりかけていた。最後は気迫の勝利、それだけです」と近藤。きつい場面は何度もあった。そのたびに「言い訳するな」と自らに言い聞かせた。負けるわけがない、自分のほうが強いんだと信じ、一球一球に気持ちを込めた。慶應義塾大からは1996(平成8)年の坂井利彰(現慶應義塾大監督)以来、18年ぶりのVとなった。
 

決勝を戦った近藤(右)と岡村
 
 「自分の中では準優勝も1回戦負けもいっしょです」と岡村は悔しさいっぱい。第2セット終盤から反撃に転じたが、あまりにも遅すぎた。「フィジカルがしっかりしていて、しぶとかった。左右に振っても、しっかりと返ってきた」と勝者を称えた。卒業後はプロ転向を考えている。そのためにはのどから手が出るほど欲しいタイトルだったが、その気持ちが強すぎた分、力みが出てしまった。
 
 早稲田対決となった男子ダブルス決勝は、第1シードの古田陸人/今井慎太郎(4年/3年)が第5シードの岡村一成/梶修登(4年/3年)を0-6 6-1 10-6で下し、インカレ室内に続いて優勝を飾った。「無冠で終わりたくなかった」と今井が言えば、古田も「最後に勝ててよかった」と安堵の表情を見せた。
 

ダブルス優勝を飾った古田(左)/今井
 

※トップ写真は、優勝を決めてガッツポーズの近藤
 





2度のマッチポイントを凌いで吉冨愛子(早稲田大)がV [インカレ]

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 『平成26年度全日本学生テニス選手権大会(男子82回/女子58回)』(予選8月14~16日、本戦8月19~25日/岐阜メモリアルセンター)の第7日/最終日は、女子シングルス、ダブルスともに決勝が行われ、女子シングルスは第2シードの吉冨愛子(早稲田大3年)が第3シードの西本恵(慶應義塾大3年)を6-3 3-6 7-5で下して優勝を決めた。

 

 予想通りの接戦となった。第1セットは吉冨が果敢に攻め立てて6-3で先取。だが、西本も負けてはいない。怯むことなく打ち込んで、お返しとばかりに第2セットを6-3で奪い返す。躍動感あふれる吉冨のプレーと力強い西本のテニス。お互いが持ち味を発揮し、勝敗の行方はファイナルセットへともつれ込んだ。

 

 吉冨は「冷静な判断ができなくなっていた」と言う。第1セットを先取したものの、以後は打ち急いでリズムを失い、ファイナルセットは2-5まで追い込まれる。第8ゲームでは2度のマッチポイントを握られた。しかし、逆に「もういくしかない」と開き直ることができた。この大ピンチを凌ぐと、吉冨には西本が優勝のプレッシャーに苦しんでいるのがはっきりとわかった。

 

 2-5から5-5に追いついた吉冨の勢いは止まらない。気迫を前面に押し出し、守りに入ることなく、しっかりとラケットを振り抜いていった。西本も悪い流れを断ち切ろうと全力で立ち向かう。だが、ポイントは取っても続かない。勝利の女神は吉冨に微笑み、3時間58分の濃密なる戦いが終わりを告げた。

 

決勝を争った吉冨(左)と西本

 

 「第2セット、ファイナルセットの内容がどうあれ、ずっと欲しかったタイトル。だから素直にうれしいです」と試合後の吉冨。ファイナルセット2-5とマッチポイントを握られた場面を振り返り、「4回戦、準々決勝も2-5から逆転に成功していたので、まだまだ前向きでした」と苦笑した。

 

 昨年の大学王座から意識が変わった。将来のことを考えたとき、今の自分の立場は中途半端に感じた。「甘えていたんだと思います」。卒業後は選手活動を続けたい。であれば徹底的にやりきろう。練習に取り組む姿勢から変え、テニスと正面から向き合った。今回の優勝は、その成果の表れでもあった。

 

 西本は「勝てそうな試合だったし、勝てた試合だった。最後に打ち切れない弱さがあった」と静かに敗戦を受け入れた。2度のマッチポイントを逃しても焦りはなかった。だが、一度失ったリズムは最後まで取り戻せなかった。あと1ポイントが近いようで、とてつもなく遠かった。つらい敗戦には違いない。だが、この悔しさがまた西本をひと回り成長させるだろう。

 

準優勝に終わった西本

 

 女子ダブルス決勝も男子と同様に早稲田対決となり、第2シードの梶谷桜舞/林恵里奈(3年/2年)が第3シードの間中早紀/吉富愛子(4年/3年)を6-0 2-6 10-5で下し、優勝を決めた。「実感がわかない」と声を揃えた梶谷/林。昨年は2回戦敗退。「先を見過ぎたこと」が敗因だった。今年は目の前の試合に全力投球。見事に頂点にたどりついた。

 

優勝を決めて喜ぶ梶谷(左)/林

 

※トップ写真は、優勝が決まった瞬間の吉冨

 

全日本学生テニス連盟ホームページ





[インカレ] PHOTOアルバム更新

クルム伊達はビーナスに4連敗で初戦敗退 [全米オープン]

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 アメリカ・ニューヨークで開幕した「全米オープン」(本戦8月25日~9月8日/ハードコート)の女子シングルス1回戦で、クルム伊達公子(エステティックTBC)は第19シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)に6-2 3-6 3-6で敗れ、19年ぶりの全米勝利はならなかった。試合時間は2時間1分。

 クルム伊達とビーナスは過去3度対戦しており、ビーナスの3戦全勝。前回の対戦は2013年のマイアミ(プレミア・マンダトリー/ハードコート)の2回戦で、そのときはビーナスが7-6(3) 3-6 6-4で勝っていた。クルム伊達はビーナスに4連敗で、全米では5年連続初戦敗退となった。

 ビーナスは2回戦で、ティメア・バシンスキー(スイス)とキキ・バーテンズ(オランダ)の勝者と対戦する。


【クルム伊達 vs ビーナスの対戦成績】

2014年全米(ハードコート)1回戦
●クルム伊達公子(エステティックTBC)6-2 3-6 3-6 ○ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)

2013年マイアミ(ハードコート)2回戦
●クルム伊達公子(エステティックTBC)6-7(3) 6-3 4-6 ○ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)

2012年マイアミ(ハードコート)1回戦
●クルム伊達公子(エステティックTBC)0-6 3-6 ○ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)

2011年ウィンブルドン(グラスコート)2回戦
●クルム伊達公子(エステティックTBC)7-6(8) 3-6 6-8 ○ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)




Photo:Kimiko Date-Krumm, of Japan, returns a shot against Venus Williams, of the United States, during the opening round of the 2014 U.S. Open tennis tournament, Monday, Aug. 25, 2014, in New York. (AP Photo/Elise Amendola)

マレーがハッサに大苦戦の末に1回戦を突破 [全米オープン]

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 8月25日にアメリカ・ニューヨークで開幕した「全米オープン」(グランドスラム/ハード)。

 1回戦に出場したアンディ・マレー(イギリス)は、試合中にハムストリングの痙攣を起こし、セカンドサービスの速度が70マイル(時速約112.6キロ)になる場面もあったものの、なんとか勝って2回戦に進出した。
 
 第8シードとして出場のマレーはロビン・ハッサ(オランダ)を6-3 7-6(6) 1-6 7-5で下し、2回戦進出を決めた。第3セットの初めに肩の裏側に痙攣を感じた彼は、その後は前腕も痙攣し始めたのだという。

 第4セットでは2度サービスを破られたが、ハッサはアンフォーストエラーが多くて押し切れなかった。ブレークポイントを握った70位のハッサはそれを逃し、自滅する形での敗退だった。

 2011年大会でのマレーもまた、ハッサに2回戦で大苦戦していた。(C)AP

Photo:Andy Murray, of the United Kingdom, returns a shot against Robin Haase, of the Netherlands, during the opening round of the 2014 U.S. Open tennis tournament, Monday, Aug. 25, 2014, in New York. (AP Photo/Kathy Willens)

ダニエル太郎はグランドスラムデビュー戦で勝利ならず [全米オープン]

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 アメリカ・ニューヨークで開幕した「全米オープン」(本戦8月25日~9月8日/ハードコート)の男子シングルス1回戦で、予選を突破してグランドスラム本戦初出場を果たしたダニエル太郎(エイブル)は第5シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に3-6 2-6 6-7(1)で敗れ、本戦初勝利はならなかった。試合時間は1時間55分。

 21歳ダニエルは今年の全豪からグランドスラム予選に挑戦し、4大会目で初の本戦入りを決めていた。グランドスラム本戦の初舞台は1万人収容のルイ・アームストロング・スタジアムで世界ランク6位のラオニッチとの対戦となったが、勝利には手が届かなかった。

 ラオニッチは2回戦で、予選勝者のペーター・ゴヨブチック(ドイツ)と対戦する。ゴヨブチックは1回戦でベンジャミン・ベッカー(ドイツ)を6-2 6-4 6-2で下しての勝ち上がり。


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Photo:Taro Daniel, of Japan, returns a shot against Milos Raonic, of Canada, during the opening round of the 2014 U.S. Open tennis tournament, Monday, Aug. 25, 2014, in New York. (AP Photo/Kathy Willens)

キリオスがあと1度のコードバイオレーションで失格のピンチを招くも、1回戦に勝利 [全米オープン]

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 8月25日にアメリカ・ニューヨークで開幕した「全米オープン」(グランドスラム/ハード)。

 ビッグサービスを武器とする19歳のニック・キリオス(オーストラリア)は、3度のコードバイオレーション(ポイント・ペナルティ・システム)を受けつつも、第21シードのミカエル・ユーズニー(ロシア)を7-5 7-6(4) 2-6 7-6(1)で倒し、2回戦に進んだ。キリオスはもし、あと1回、4度目のコードバイオレーションをとられていれば、失格という可能性もあった試合だった。

 キリオスはウィンブルドンでラファエル・ナダル(スペイン)を倒してベスト8に進出し、ランキングを70番以上上げた選手だ。この日の試合は彼によれば、自分のプレーのふがいなさに自ら腹を立てていたのだという。第2セットの最初にボールをコート外に打ち出して、最初のコードバイオレーションをとられた。

 第3、第4セットでは猥褻な言葉を使ったとしてさらに2度のコードバイオレーションをとられ、あと1度で失格というところだった。「あのときは熱くなっていたんだ。自分のプレーにイライラしてしまってね」と60位のキリオス。

 第4セットでのコードバイオレーションはユーズニーに3-1リードを与える結果となったものの、コート17を埋め尽くした満員の観客たちの前でキリオスは26本のサービスエースを記録。最後のセットでは7本をユーズニーから奪って勝利を決めた。最後の10ポイント中9ポイントは、サービスで奪ったポイントだった。

 「僕はずっと感情的なプレーヤーだった。できればこれからはもっと自分をうまくマネージメントできるむようになりたいと思ってる。でも、今はまだその過程なんだ。コートに出るたびによくなるように心がけている。でも、大抵は何かやってしまうね」とキリオス。

 「僕はたぶん、今大会での自分に大きな期待をしているんだと思う」とキリオスは話し、「でも、僕はまだ若い選手なんだということを自分でも理解する必要があるんだ。まだまだ僕には時間がある。先は長いんだとね」。

 ユーズニーは全米オープンでは2度のベスト4の実績があるが、相手の失格による勝利は意識していなかったという。「自分のプレーを心がけただけだ。何ポイントかは彼にもらったけどね」とユーズニーは言いながら、「でも、結果には関係なかったね」と続けた。(C)AP




Photo:Nick Kyrgios, of Australia, returns a shot against Mikhail Youzhny, of Russia, during the opening round of the 2014 U.S. Open tennis tournament, Monday, Aug. 25, 2014, in New York. (AP Photo/Frank Franklin II)

ジョコビッチが1回戦を無事に突破 [全米オープン]

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 8月25日にアメリカ・ニューヨークで開幕した「全米オープン」(グランドスラム/ハード)。

 ナイトセッションに登場した第1シードのノバク・ジョコピッチ(セルビア)はディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-1 6-2 6-4で下して2回戦に進んだ。この日、最後の試合が終わったのはすでに深夜と言っていい時間だった。

 「夜遅くまで残ってくれたファンにとって、楽しい試合だったことを望むよ」とオンコートインタビューでジョコビッチは話していた。

 第9シードのジョーウィルフライ・ツォンガ(フランス)はフアン・モナコ(アルゼンチン)を6-3 4-6 7-6(2) 6-1で下している。

 第24シードのジュリアン・ベネトー(フランス)は同じフランスのブノワ・ペール(フランス)にフルセット負けを喫したが、第3シードのスタン・バブリンカ(スイス)、第5シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)などはストレートで勝ってそれぞれ2回戦に駒を進めている。(C)AP

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Photo:Novak Djokovic, of Serbia, smiles after defeating Diego Schwartzman, of Argentina, 6-1, 6-2, 6-4 in the opening round of the U.S. Open tennis tournament Monday, Aug. 25, 2014, in New York. (AP Photo/Darron Cummings)

ハレプ、シャラポワなど上位勢は無事に1回戦を突破 [全米オープン]

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 8月25日にアメリカ・ニューヨークで開幕した「全米オープン」(グランドスラム/ハード)。

 昨年の大会は右肩の故障で欠場していた第5シードのマリア・シャラポワ(ロシア)はマリア・キリレンコ(ロシア)を6-4 6-0で下し、全米オープンへの復帰を勝利で飾った。長年の友人同士での1回戦となったこの試合中には、俳優のアレック・ボールドウィンが観客席に飛び込んできたボールを見事にキャッチするという場面もあって場内が沸いた。

 第10シードのカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)の試合は、対戦相手のマグダレナ・リバリコバ(スロバキア)が6-1 3-6 2-0の時点で左側臀部を傷めて棄権したため、ウォズニアッキの勝利となった。

 第2シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)は20歳のダニエレ ローズ・コリンズ(アメリカ)を相手に第1セットを落としたが、6-7(2) 6-1 6-2で勝って2回戦に進んでいる。コリンズはツアーレベルの大会には初出場。現在はバージニア大学の2年生で、NCAAのチャンピオンとしてワイルドカード(主催者推薦枠)を受けての出場だった。(C)AP


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【こちらテニマガ編集部】フォトグラファーOちゃんのUSオープンフォト日記 大会1日目

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2014年の最後のグランドスラムが始まりました!

今大会、日本人選手は男子4選手、女子3選手が本戦に出場。

試合も熱くくなりそうだけど、天気も…暑い!日差し強すぎです!



USオープン2014の日本人選手トップは奈良選手。

相手はカナダのウォズニアク選手。

気温が高い中の試合でしたが、6-2 6-1の圧勝。

試合時間59分の瞬殺劇でした!!


試合後、コーチやスタッフの人たちに笑顔でピースサイン!!


男子は予選から勝ち上がりのダニエル・太郎選手。

初のグランドスラム本戦出場です。




相手は上位シードのラオニッチ選手。

強いサーブに右に左に振られていましたが、

ボールに食らいついていました。



試合終盤、こんなシーンも、




股抜きショットも披露。

スタンドも盛り上がっていました!!



3人目はクルム伊達選手。

ヴィーナス相手に第1セット6-2で先取したのですが・・・




左手を伸ばしてのレシーブ。

その後のセットを連取され、残念ながら敗退でした・・・


本日の日本人選手の試合も終わり、

コートをいろいろ徘徊していると・・・


ハイソックスの選手が。




マテック・サンズ選手か!?と思いきや、

オーストラリアのラディオノワ選手。


マテック・サンズ選手ほど、個性的ではないですが、

このハイソックススタイル、

スッキリした感じでなんだかイイ感じに見えます。


インカレあたりで誰かやってくれないかな!? もう終わった!?


日焼けには注意ですね!



そうそう、今年から練習コートと、

4番~6番コートの立地が変わりました。





こんな感じです・・・


今まで、練習コートを見るには

手前の金網越しで見るしかありませんでしたが、

4番~6番コートとの境に大きなスタンドができ、

ここから練習も試合も見ることができます。


ちなみにスタンドの下にも立ち見できるスペースがあり、

かなり近いところで選手を見ることができます。

4番~6番コートも、両側にスタンドが付き、

とても観戦しやすくなっています。



これから観戦に行く人は要チェックです!!


またあした!!

(Oちゃん)


ビーナスはクルム伊達に苦戦の末に勝利 [全米オープン]

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 8月25日にアメリカ・ニューヨークで開幕した「全米オープン」(グランドスラム/ハード)。

 ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)は厄介な対戦相手を前に、ソフトにフォアハンドを打ち、バックハンドもていねいに打ち始めた。

 コート上に現れた蜂が、ビーナスを助けてくれたのだという。「あの蜂はチャレンジだったわね」と2度全米を制したビーナスは振り返る。ビーナスはクルム伊達を2-6 6-3 6-3で破り、1回戦を突破した。

 試合前の話題は二人の年齢に関することばかりだった。ビーナスが34歳で、クルム伊達は43歳。二人合わせると77歳だ。WTAは、グランドスラムでは最年長の試合だろうとしている。

 「キミコは、私にもう10年を与えてくれたような気がするわ」とビーナスは言う。「間違いなく、今日の試合では私の方が若手だったんですもの」とビーナスは言いながら、「でも、コートに立ったら誰も歳のことなんて気にしない。それはただの数字なのよ」と続けている。

 試合中にコート内に飛んできた蜂が、クルム伊達のサービスを中断させた。彼女は蜂を殺すのを嫌い、蜂を交わし続けていた。そのあとの第3セットではビーナスが3-0とリードを広げた。蜂はビーナスのサービス時にも飛んできていた。

 クルム伊達が上品に蜂をなんとか捕まえようとしていたこともあって、「私がはたき落としたら、それは怠慢だと思ったのよ」とビーナスは言う。「だから彼女に従ったわ」。

 ビーナスは1分以上かけて蜂を追い払おうとした。観客席のファンからは「叩き落とせ」などという声も上がっていたが、ビーナスはそうしなかった。

 最終的には2人のボールパーソンたちがタオルで蜂を捕まえて追い払うと、観客席から歓声が起きた。

 ビーナスが全米オープンで最後に優勝したのは2001年のこと。近年は健康問題もあってややスローダウンしている。しかし、先月のモントリオールでは妹のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を破るなど、力を見せているのもビーナスだ。この試合のあと、自分も歳をとったと感じるかと聞かれた彼女は「まだ感じないわ」と答えている。

 クルム伊達は来月には44歳となる。2時間以上の試合の末にビーナスに敗れた彼女は、ビーナスにはこれで4連敗だ。
 
 第3セットでは0-5とリードされたクルム伊達だったが、そのあとの3ゲームを奪い返して逆襲に転じた。最後となったゲームもデュースにもつれ、そこで簡単なボレーをミスしたクルム伊達は、ネット際で10秒はしゃがみこんでいた。これでチャンスを逃したと考えていたのだという。

 次のポイントで試合を決めたのはビーナスだった。試合後のクルム伊達の表情には笑顔が見えた。

 「毎日、時々は考える。いつかもし大きなケガをしたら、カムバックするのは難しいだろうなと」とクルム伊達は言う。「ただ、まだ情熱がある。だから私はまだここにいる」。

 「私のコートはいつも、毎年の終わりには、これが最後の年だと言います。いつもですよ。だから私も"たぶん止める、これ以上は続けられないわね"と言うんですが、まだ1年、いやもう数年はとなっているんですよ」とクルム伊達は言って笑っていた。(C)AP


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Photo:Ball persons attempt to swat away a bee from Kimiko Date-Krumm, of Japan, during the opening round of the 2014 U.S. Open tennis tournament against Venus Williams, of the United States, Monday, Aug. 25, 2014, in New York. (AP Photo/Elise Amendola)

奈良が初戦快勝、クルム伊達はビーナスに、ダニエルはラオニッチに敗れる [全米オープン]

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 男子4人、女子3人の計7人の日本選手が本戦入りした今年の全米オープン。初日に3人が登場した。第1試合で奈良くるみ(安藤証券)がアレクサンドラ・ウォズニアク(カナダ)を6-2 6-1で一蹴して日本の挑戦は元気に幕を開けたが、43歳のクルム伊達公子(エステティックTBC)は第19シードの元女王ビーナス・ウイリアムズ(米国)に6-2 3-6 3-6の逆転負け。グランドスラム初出場のダニエル太郎(エイブル)は第6シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に3-6 2-6 6-7(1)で敗れた。

◇             ◇             ◇

 昨年は予選上がりの109位だった奈良が今年はシード選手。グランドスラムで初のシード、第31シードで臨む全米オープンの景色は去年とはまったく異なるだろう。当然、多少のプレッシャーはあった。だがそんなものは吹き飛ばしてしまう初戦だった。

 相手は97位とはいえケガからの復活途上であり、最高時には21位だったウォズニアク。しかも一昨年に完敗しているが、わずか59分、6-2 6-1で片付けた。

 勝ち急がず、かといって守りに入ることもなく、自分のショットを、自分のペースで組み立てて相手のミスを多く引き出した。
「ラリー戦では確実に上回れているという自信があった」
その自信が圧勝の源だ。チャレンジする立場からされる立場になっても、「まず相手の力を認めてから挑む」ことが、向かっていく気持ちを失わない秘訣だという。2回戦の相手は期待の17歳ベリンダ・ベンチッチ。まさに、奈良の今の心持ちが試される。

◇             ◇             ◇

 43歳と34歳という今大会の年長者トップ2の激突に、海外メディアも注目した。第1セットを伊達が6-2で奪ったことでざわつきが増したが、第2セットは同じようにはいかなかった。ライン際へのショットを速いテンポで繰り出し、ビーナスをきりきり舞いさせていた伊達だが、そのショットにミスが増えていく。4-0までリードを広げられ、結局3-6でセットを落とすと、第3セットは一気に5ゲームを連取された。そこから3ゲームを奪い返すあたり、若い頃から知られた「逆転の伊達」の片鱗を見せたが、43歳の伊達に戦況を覆しきるだけの余力はなかったのかもしれない。

 「向こうは劣勢になったときにまだ他の引き出しがあった。私のほうは競ったところでギアをもう一つ上げることができなかった」

 これまでの対戦成績はビーナスの3勝0敗とはいえ、2度はタイブレークが絡むフルセットの接戦だった。ビーナスはそんな伊達との戦いから学んでいたのだ。第2セットからはパワーに頼らずペースを使い、風上からは有効なトップスピンを多用するなど、戦法を変え、伊達にリズムをつかませなかった。
 
 ◇             ◇             ◇

 予選を突破し、グランドスラム初の本戦入りを果たしたダニエル。席数1万あまりのルイ・アームストロング・スタジアムで世界ランクを自己
最高の6位に上げているラオニッチに挑んだ。

 とにかくビッグサーブに苦しめられた。時速200km台連発の中でもスタンドをどよめかせたのが時速225kmのセカンドサーブだ。第2セット第6ゲームの40-0という場面だった。ラオニッチはそれほどの余裕を持ってゲームを進めていた。サーブだけではない。長いリーチを生かした角度のあるフォアハンドはベースラインからも鋭く突き刺さり、ダニエルはラリーで主導権を握れない。

 ラオニッチのサービング・フォー・ザ・マッチとなった第10ゲームで初めてブレークに成功したダニエル、最後に見せた意地は「これからにつながるいいサイン」と振り返ったが、タイブレークでは経験の差が出た。

 「僕にはまだうまくなるスペースがあるし、体もちょっとヒョロヒョロしているからまだ力をつけられるので、これからが楽しみです」。生い立ちが国際色豊かなダニエルらしい独特の表現で、自分自身への期待を語った。

【WOWOW】錦織圭の初戦は第1試合、土居美咲はアザレンカに挑む 第2日(8月26日)の放送カード

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全米オープン第2日、WOWOW放送カードは次の通りです。


大会第2日男子シングルス1回戦
8/26(火)深夜0:00~午前7:55
コート17 第1試合 WOWOWライブ
錦織 圭(日本)vs ウェイン・オデスニック(アメリカ)
解説:岩渕 聡 実況:吉崎 仁康


大会第2日女子シングルス1回戦
8/26(火)深夜0:00~午前7:55
グランドスタンド 第3試合 WOWOWライブ
土居 美咲(日本)vs ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)
解説:神尾 米 実況:久保田 光彦


大会第2日男子シングルス1回戦
8/27(水)午前7:55~午後3:00
アーサー・アッシュ・スタジアム 第4試合 WOWOWライブ
マリンコ・マトセビッチ(オーストラリア)vs ロジャー・フェデラー(スイス)
解説:坂本 正秀 実況:鍋島 昭茂


大会第2日女子シングルス1回戦
8/27(水)午前7:55~午後3:00
アーサーアッシュ・スタジアム 第5試合 WOWOWライブ
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)vs テイラー・タウンゼント(アメリカ)
解説:坂本 真一 実況:河路 直樹

※早終了あり
※試合の進行状況により、放送カードが変更となる場合があります。ご了承ください。
※その他、注目のカードを放送予定


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WOWOWメンバーズオンデマンドとは、“いつでも、どこでも”好きなときに、WOWOW加入者は追加料金なしで、インターネット上でWOWOWの番組を視聴できるオンデマンドサービスです。

~WOWOW 未放送試合を配信~

大会第2日 8月26日(火) 深夜0:00<試合開始> ~ 試合終了まで

ピックアップコートチャンネル(1) アーサー・アッシュ
ピックアップコートチャンネル(2) ルイ・アームストロング
※コート13 第3試合 男子シングルス1回戦西岡 良仁(JPN) vs パオロ・ロレンツィ(ITA)

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