千葉県・吉田記念テニス研修センター(TTC)で開催中の「2014 DUNLOP CUP 全国選抜ジュニアテニス選手権大会 兼 ワールドジュニアテニス世界大会代表選考会」(5月15~18日)の大会3日目は、14歳以下の男女シングルス準決勝と12歳以下のシングルス準々決勝・準決勝などが行われた。
14歳以下男子はトップシードの田島尚輝(TEAM YONEZAWA)が決勝へと駒を進めた。準々決勝までは緊張もあって思うようなテニスができなかったが、この日は「緊張がほぐれて、リラックスしてできた」。攻守のメリハリを効かせ、第3シードの白石光(有明JrTA)をストレートで下した。
決勝で田島に対するのは市川泰誠(TCコ・ス・パ八尾南)。準決勝では第2シードの青木一真(ウイニングショット)を失ゲームわずか2で撃破した。肘の痛みを抱えながら、「スピンの高いボールで押し込めた」というように、レフティーから繰り出されるフォアを軸に終始相手を翻弄した。一方の青木は、武器であるはずのフォアハンドの精度を欠き、思うように展開することができなかった。
練習や遠征をともにし、仲がよいという田島と市川だが、公式戦では初対戦となる。「相手にフォアを打たせないこと」と田島が攻略法を語れば、市川は「自分から攻めていくことができればチャンスはある」と話す。
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「今日は気持ちを強く持てた」という田島(右)が白石を退けた
14歳以下女子の決勝は、2年前の12歳以下決勝の再現となった。早々と決勝進出を決めたのは佐藤久真莉(CSJ)だ。まだ小学6年生、上のカテゴリーへのトライとなった14歳以下の部で、その実力を遺憾なく発揮している。坂詰姫野(ファーストTA)との準決勝でも、相手のショットを読み切ったかのような的確なポジショニングから、深さと角度を効かせたショットをハイテンポに打ち込んでいき、姫野に反撃の糸口さえ与えなかった。
その佐藤を第1シードとして迎え撃つのは宮本愛弓(志津TC)だ。第1セット4-1リードから「ギアをあげられなかった」と振り返るように、永田杏里(南山中学校)に逆襲を許してタイブレークへ。しかし、ここをなんとか取り切ると、第2セットではフォアハンドの当たりが蘇り、一気に永田を突き放した。
2年前の対戦では宮本が年上の意地を見せ、見事に優勝を飾っている。今回も、「受け身にならず、自分からチャレンジしていきたい」と話す宮本。年長者の意地を見せられるか、それとも佐藤がカテゴリーを超えた戴冠を果たすのか。目が離せない。
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小柴は激闘の末、稲田に逆転勝利
12歳以下の準決勝でもっとも白熱したのは小柴遼太郎(三木ロイヤルTC)と稲田幸一郎(福岡パシフィックTA)の一戦。第1シードの小柴はファイナルセット2-5と追い詰められながら、そこから5連続ゲーム奪取で、鮮やかな逆転勝利を果たした。明日の決勝では、三井駿介(アクトスポーツクラブ)をストレートで下した第2シードの吉村大生(志津TC)と優勝を争う。
12歳以下女子はトップシードの武部せな(CSJ)に、ノーシードから勝ち上がったレフティーの川口夏実(佐世保LTC)が挑戦する。
<14才以下>
【男子シングルス準決勝】
○田島尚輝(関東/TEAM YONEZAWA)[1] 6-4 6-1 ●白石光(関東/有明JrTA)[3]
○市川泰誠(関西/TCコ・ス・パ八尾南)[5] 6-1 6-1 ●青木一真(東北/ウイニングショット)[2]
【女子シングルス準決勝】◯宮本愛弓(関東/志津TC)[1] 7-6(3) 6-2 ●永田杏里(東海/南山中学校)[3]
◯佐藤久真莉(関東/CSJ)[4] 6-2 6-0 ●坂詰姫野(北信越/ファーストTA)
<12才以下>
【男子シングルス準決勝】
○小柴遼太郎(関西/三木ロイヤルTC)[1] 3-6 6-3 7-5 ●稲田幸一郎(九州/福岡パシフィックTA)[3]
◯吉村大生(関東/志津TC)[2] 6-3 6-3 ●三井駿介(東海/アクトスポーツクラブ)[8]
【男子シングルス準々決勝】
○小柴遼太郎(関西/三木ロイヤルTC)[1] 6-1 6-2 ●鈴木久統(関東/荏原湘南スポーツセンター)
○稲田幸一郎(九州/福岡パシフィックTA)[3] 6-1 7-5 ●飯泉涼(関東/CSJ)[6]
○三井駿介(東海/アクトスポーツクラブ)[8] 6-4 6-2 ●間仲啓(関東/むさしの村ローンTC)[4]
◯吉村大生(関東/志津TC)[2] 6-4 6-2 ●森基唯斗(北海道/ウイング)
【女子シングルス準決勝】
○武部せな(関東/CSJ)[1] 6-3 6-0 ●伊藤汐里(関東/グリーンテニスプラザ)[3]
○川口夏実(九州/佐世保LTC)6-0 6-1 ●吉田涼音(関西/朝日スポーツクラブ)[6]
【女子シングルス準々決勝】
○武部せな(関東/CSJ)[1] 6-3 6-4 ●申ジホ(関東/KCJTA)[7]
○伊藤汐里(関東/グリーンテニスプラザ)[3] 6-2 7-5 ●カジュール・オヴィ(関東/武蔵野ドームTS)[5]
○吉田涼音(関西/朝日スポーツクラブ)[6] 6-3 6-7(5) 6-4 ●井上愛梨(中国/レオーネ山口)
○川口夏実(九州/佐世保LTC)6-1 6-4 ●西尾萌々子(関西/パブリックテニス洛西)
※[ ]数字はシード順位
※トップ写真は14歳以下女子準決勝を戦った宮本(右)と永田