イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」（6月29日～7月12日／グラスコート）の男子シングルス3回戦で、ラファエル・ナダル（スペイン）を破った選手が、またも次戦で敗退した。
ドレッドヘアーがトレードマークの予選勝者、ダスティン・ブラウン（ドイツ）は、2回戦でウィンブルドンを2度制しているナダルをセンターコートで倒したが、その後、3回戦で敗れた。
ブラウンは、“ウィンブルドンのナダル”を早いラウンドで倒した4人目の100位以下の選手だったが、ナダルを倒した選手たちはいずれも次のラウンドで敗れているというジンクスを覆せなかった。
「センターコートでプレーできて、あんな試合ができたことは僕にとって素晴らしい出来事だった。今日の結果に関わらず、それは誰も僕から奪えないことだと思う」とブラウンは、第22シードのビクトル・トロイツキ（セルビア）に4-6 6-7(3) 6-4 3-6で敗れたあとに話している。
ブラウンは102位。ナダルは2012年に100位のルーカシュ・ロソル（チェコ）に敗れて以来、13年には135位のスティーブ・ダルシー（ベルギー）に1回戦で、14年には144位のニック・キリオス（オーストラリア）に4回戦で敗れていた。
この土曜日には2010年に史上最長試合を戦った記録を持つジョン・イズナー（アメリカ）と、先の全米オープンの優勝者、マリン・チリッチ（クロアチア）の日没順延後の試合が再開されたが、チリッチが最終セットを12-10で終わらせて勝利した。スコアは7-6(4) 6-7(6) 6-4 6-7(4) 12-10でチリッチの勝利。土曜日は最終セット10-10からの再開だった。
最後の3ポイント中、2ポイントがイズナーのダブルフォールトだった。イズナーがそれまでにおかしたダブルフォールトは1度だけだったが、大事な場面でそれを連発したのが痛かった。土曜日の試合時間はわずか15分でだった。
「僕はサービスでいつもならナーバスになることがないんだ。あれは単純なミスだった」とイズナーは話して首を振った。「みんなも知っての通り、テニスというのは不思議なものだ。僕は昨日の試合では一度しかダブルフォールトをしなかった。うまくコントロールできていたんだ。本当に甘くないということを思い知ったよ」。
グランドスラムでは全米オープンだけが、最終セットでタイブレーク制を導入している。ウィンブルドンやそのほかのグランドスラムでは、最終セットは2ゲームをどちらかの選手がリードするまで試合が続くルールだ。
「僕にとってはそのルールはいいものだと思うよ」とチリッチはジョークで返している。「ジョン（イズナー）との試合じゃない限りにおいて、だけどね」。
イズナーは、2010年のウィンブルドンでニコラ・マウ（フランス）を最終セット70-68というスコアで倒した経験を持つが、今回はその再現とはならなかった。
大会6日目のウィンブルドンは、ロジャー・フェデラー（スイス）がセンターコートに登場し、サム・グロス（オーストラリア）を6-4 6-4 6-7(5) 6-2で下して4回戦に進んだ。この試合のフェデラーにはほとんどトラブルらしいものはなかったが、1セットは落としてしまった。
グロスは好調で、この日は時速236kmのサービスを放ち、ウィンブルドン史上、2番目の最速記録をつくっていた。そのサービスはエースにはならなかったが、そのままウィナーとなった。
「リターンではずっと小さなテークバックを維持しないといけなかった。見てもらえばわかると思うよ」とフェデラーはビッグサーバー相手の作戦の一端を明かしている。「そして、正しいプレーを選択することが大事になる。相手がやってきたパターンをしっかりと覚えておいて、どんなときにそれが成功していて、失敗していたのかを考えながら、それらに対処していくことが大事なんだ」。
そのほか、4回戦に進んだのは第6シードのトマーシュ・ベルディヒ（チェコ）、バセック・ポスピショル（カナダ）、第23シードのイボ・カルロビッチ（クロアチア）、第20シードのロベルト・バウティスタ アグート（スペイン）だ。
また、2013年大会の優勝者でもあるアンディ・マレー（イギリス）はアンドレアス・セッピ（イタリア）を6-2 6-2 1-6 6-1で下して4回戦に進んでいる。(C)AP
※写真は4回戦進出のロジャー・フェデラー