モナコ・モンテカルロで開催されている「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(4月12~19日/ATP1000/クレーコート)。
土曜日に行われた準決勝。世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)がラファエル・ナダル(スペイン)を6-3 6-3で倒し、決勝進出を果たした。
ジョコビッチはこれで16試合連続での勝利。決勝では第6シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)と対戦することになる。
モナコのアルベール大公が見守る中で行われた試合はナダルがかつての強さをかいま見せ、両者とも激しいプレーの応酬となり、攻撃と素晴らしい守備のテニスが繰り広げられた。
だが、ナダルはまだ右手首と虫垂炎によるツアー離脱の影響で苦しんでいる。この日のナダルには、ジョコビッチのマスターズ4連勝を止めるために十分な安定性を示せなかった。
ジョコビッチは昨年のパリのマスターズで優勝。さらに今季はインディアンウェルズとマイアミでも優勝している。ジョコビッチが今大会でも優勝すると、シーズン最初のマスターズ大会を3連勝した初めての選手となる。
ナダルは第1セットの第7ゲームであったチャンスを逃したことを悔やむだろう。このときのナダルは強烈なフォアハンドでジョコビッチのバランスを崩してジョコビッチを悔しがらせたが、ナダルはその流れをつかむことができなかった。
第2セットも接戦だった。ナダルはハードに戦い抜き、試合に踏み止まっていた。最初のサービスゲームでは2本あったブレークのピンチをしのいでいる。しかし、ジョコビッチが第7ゲームで攻勢に出てこれを取ると、第9ゲームでさらにブレークを追加。ナダルとの43度目の対戦でジョコビッチが20度目の勝利を挙げた。
両者の対戦は、昨年の全仏オープン決勝以来だった。
全仏を制してキャリア・グランドスラムの達成がなるかどうかについて聞かれたジョコビッチは、「現時点では何とも言いがたい。彼(ナダル)がこのコートで成し遂げて来たことが、ただ1度の勝利で何もかも変わってしまうわけではない。彼は僕よりも大きく上の実績を持っている」と話し、「僕は今でもクレーコートの上の彼より自分がいいプレーヤーだとは思っていない。ただ、全ての試合で最善を尽くして勝とうとはしている。それは彼が相手のときだけでなく、どの相手でも、どのサーフェスでも同じだ。僕はそういう気持ちで戦っている」。
一方のナダルは「現時点ではいいプレーができていると思っている」と話しながら、「ただ、今日は少しばかり早く疲れが来すぎてしまった。少し疲れが出て来て、プレーが少し淡白になってしまった。こういう状態では彼を相手には戦えない。彼はとてつもない動きでどこに打ってもボールに届く。彼がコートの中に入って来てしまったら、あとは死あるのみなんだよ」と続けている。「6-3 6-3というスコアだが、もっと近づけると思う。僕はそう思っているし、彼もそう思っているだろうし、みんなもそう思っていると思う」。
ジョコビッチは「このサーフェス(クレーコート)でナダルをストレートで倒す。ここは彼のサーフェスだ。これは素晴らしい成功なんだ」と話している。
ナダルと43度目の対戦で20度目の勝利を挙げ、決勝進出を果たしたジョコビッチ
ベルディヒは、ガエル・モンフィス(フランス)を6-1 6-4で下しての決勝進出だ。ベルディヒにとって今大会での初の決勝進出でもある。
ベルディヒは試合の序盤の段階で、ベースラインから試合をコントロールした。モンフィスはベルディヒの早いペースと強打に苦戦を強いられた。第1セットでモンフィスが取ったポイントはわずか11ポイント。第2セットでのモンフィスは作戦を変更し、よりスライスを増やして相手のリズムを崩しにかかった。モンフィスはこれで流れを取り戻し、ベルディヒの2本のフォアハンドのエラーを誘うなどしてブレークバックに成功。1-1とタイに戻した。
だが、モンフィスは流れをつかめない。続くサービスゲームをベルディヒに奪われ、15年ぶりとなるフランス人選手の決勝進出の望みを失った。
「トマーシュとの試合はいつも難しいものになる。彼との戦い方がわからないんだ」と第14シードのモンフィス。モンフィスはベルディヒと7試合戦って1度しか勝てていない。「いつか解決策が見つかるといいんだけどね」。
今大会のモンフィスは抱えていた臀部の故障が思っていたよりも早く回復したため、ワイルドカード(主催者推薦枠)での出場だった。この日の敗因について、自分のファーストサービスの確率が悪かったことを挙げている。
「でも、サービスそのものはよかったと思う。ただ、彼のリターンが強くて深かったということ」とモンフィスは言う。「彼は僕のサービスをとてもよく読んでいたんだよ」。
モンフィスを破り、今大会初の決勝進出を果たしたベルディヒ
アンディ・マレー(イギリス)のコーチだったダニ・バルベルドゥ氏を雇った今季のベルディヒは好調を維持している。全豪オープンではベスト4に進出。ドーハとロッテルダムの大会でも準優勝という結果を残した。
「ここまでの結果を振り返るととてもいい気分だし、前向きになれる。昨年の終わりにコーチを変える決断は簡単なものではなかったから」とベルディヒ。「僕はまだ自分自身をもっとプッシュしたかったし、自分にもっとチャンスを与えたかった。自分をもっと高い位置に、そしていいプレーヤーにしたい。だから決めたんだ。今は正しい道を歩んでいると思っているよ」。(C)AP
Photo: MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 18: Novak Djokovic of Serbia poses for a photo next to Rafael Nadal of Spain in the semi finals during day seven of the Monte Carlo Rolex Masters tennis at the Monte-Carlo Sporting Club on April 18, 2015 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Julian Finney/Getty Images)
Photo: MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 18: Novak Djokovic of Serbia celebrates defeating Rafaerl Nadal of Spain in the semi finals during day seven of the Monte Carlo Rolex Masters tennis at the Monte-Carlo Sporting Club on April 18, 2015 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Julian Finney/Getty Images)
Photo: MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 18: Tomas Berdych of Czech Republic celebrates defeating Gael Monfils of France in the semi finals during day seven of the Monte Carlo Rolex Masters tennis at the Monte-Carlo Sporting Club on April 18, 2015 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Julian Finney/Getty Images)