4月12日にモナコ・モンテカルロで開幕した「モンテカルロ・ロレックス・マスターズ」(ATP1000/クレーコート)。
火曜日に行われた2回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、予選から勝ち上がったアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)を6-1 6-4で下して3回戦に進んだ。ジョコビッチは試合後に、流暢なフランス語で観客たちにクレーコート・シーズン最初の大会を楽しんでいると話していた。
ジョコビッチにとって、次なる大きな目標は全仏オープンの制覇。彼がグランドスラムで最後に獲り逃しているのが全仏のタイトルだからだ。
また、彼にとってはマスターしていなかった外国語のリストのうちの一つでもあったという。
「フランス語はとてもグローバルな言語。僕はそれを知りたかったんだ」とジョコビッチは英語で話す。「まだフランス語に関しては勉強中だけれど、だいぶよくなってきた。正しい文法についてはこれからだけれどね」。
フランス語で話したいという彼の欲求は、彼の激しい野望を物語る。ジョコビッチは27歳。8度のグランドスラム・チャンピオンで、ツアー通算51勝。彼の名前は142週間に渡って1位の座にある。これはラファエル・ナダル(スペイン)の在位期間を1週間超えた数字だ。
また、彼の友人でもあるヤンコ・ティプサレビッチ(セルビア)は、ジョコビッチの野望は果てしないものだと話している。
「もし個人的な意見として聞かれるなら、彼(ジョコビッチ)のゴールはまだまだ遠くに感じられるけれど、それは(ロジャー)フェデラーを抜くことだと思うよ」とティプサレビッチはATPの公式サイトのインタビューで語っている。「彼の目標は、テニス史上でも最高の選手になるということなんだ」。
ジョコビッチにとって最初の課題は、ナダルを“King of clay”の座から引き摺り下ろすことだ。
今季のジョコビッチは、2011年以来最高のスタートを切っている。その最初のクライマックスは全仏オープン。ナダルが記録となる9度の優勝を誇る舞台だ。だが、ナダルは現在不調に苦しんでおり、ジョコビッチにとってはそれも助けとなりそうだ。
今大会でのナダルとジョコビッチはドローの同じハーフに入っており、当たるとすれば準決勝。だが、ジョコビッチはナダルがどうなるかについてはまだ考えていないという。
「彼はこのテニスというスポーツで、歴史をつくってきた選手の一人」とジョコビッチ。「彼はたぶん、お互いにたくさんの試合を戦ってきた最大のライバルであり、クレーコートではとてつもないチャレンジャーの一人でもある。そして今の僕らはその舞台に立っている」。
試合はまるで練習のようだった。ジョコビッチはラモス ビノラスに一度だけサービスゲームを落としたものの、まったく苦戦するという雰囲気を見せなかった。
ジョコビッチはこの日の勝利でインディアンウェルズとマイアミから続く連勝を13試合に伸ばしている。
「クレーコートで経験豊富な相手に対して、クレーで最初の試合のパフォーマンスとしては、本当に満足している」とジョコビッチ。「いい緊張感で試合を戦えたよ」。
ジョコビッチは3回戦でアンドレアス・ヘイダー マウアー(オーストリア)と対戦する。
右肩の故障などの影響で3ヵ月間ツアーを離れ、インディアンウェルズから復帰したマリン・チリッチ(クロアチア)は今季の初勝利をフロリアン・マイヤー(ドイツ)から挙げた。スコアは6-3 3-6 6-3だ。
第5シードのダビド・フェレール(スペイン)もビクトル・エストレーリャ ブルゴス(ドミニカ共和国)が6-2 2-0の時点で棄権したため勝利して3回戦に進んでいる。
第9シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)はフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)と1回戦を戦い、6-4 4-6 6-4で辛くも勝利して2回戦に進んだ。
また、第14シードのガエル・モンフィス(フランス)も予選勝者のアンドレイ・クズネツォフ(ロシア)を相手に苦戦しつつも4-6 6-3 6-4で勝って2回戦に進み、第10シードのジル・シモン(フランス)、ジョーウィルフライ・ツォンガ(フランス)もそれぞれストレートで勝って1回戦を突破している。
モンフィスは膝の故障からツアーに復帰したばかりで、試合の序盤ではサービスに苦しんでいた。グリーンとイエローのウェアでセンターコートに登場したモンフィス。アンフォーストエラーが多く、荒れた内容のテニスだったが、満足していると試合後に話している。
「この大会ではしばしば苦戦する。僕にとっては1年間を過ごすというのはいつでもたいへんなこと。それを抜けてこられたのはうれしいよ」とモンフィス。「ここでは似たような試合で負けたこともあるからね」。
ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場のルカ・プイエ(フランス)もまたドミニク・ティーム(オーストリア)を6-4 6-4で倒して1回戦を突破し、2回戦では今大会で8度の優勝経験を誇るナダルと対戦する。
また、イリ・ベセリ(チェコ)を6-4 6-2で下したフアン・モナコ(アルゼンチン)は、スタン・バブリンカ(スイス)と2回戦で対戦することになっている。(C)AP
Photo:MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 14: Novak Djokovic of Serbia in action against Albert Ramos-Vinolas of Spain during day three of the Monte Carlo Rolex Masters tennis at the Monte-Carlo Sporting Club on April 14, 2015 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Julian Finney/Getty Images)