Quantcast
Channel: TENNIS DAILYのNEWS
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10853

京都外大西が沖縄尚学を下して全国初優勝 [第37回全国選抜高校テニス]

$
0
0
 第37回全国選抜高校テニス大会(3月21~27日/団体戦、個人戦/博多の森テニス競技場、春日公園テニスコート)の第5日、26日(木)は男女団体の決勝と、男女個人戦の本戦2~4回戦が行われた。

 ともに初の全国決勝の舞台に立った京都外大西(京都)と沖縄尚学(沖縄)の女子決勝は、京都外大西が沖縄尚学を3-1で下して初の栄冠を手にした。

 試合は序盤から流れが激しくうねるシーソーゲームとなった。S1は沖縄尚学が誇るエースのリュー理沙マリーが6-1 6-1で先勝。「今大会で一番よいプレーができた」というように、ネットプレーをからめながら京都外大西の大塚芽生を最後まで振り回し続けた。しかし、S2は京都外大西に流れる。越野菜摘が緩急をつけたアグレッシブな攻めで、沖縄尚学のS2下地奈奈を翻弄。6-3 7-5であっという間にタイに戻す。

京都外大西のS2越野

 先に王手をかけたのは京都外大西だった。S1のあとに入ったD2八田真穂/奥田日向が沖縄尚学の1年生ペア、新本樹奈/儀武幸希をスタートから圧倒。「初戦からプレッシャーで自分のテニスができなかった。チームの皆に勝たせてもらっていた。今日こそは自分のテニスをしようと思っていた」というキャプテン八田の気迫もあり、6-0 6-4でチームに勝利を運んだ。しかし、S3は沖縄尚学の下地奈緒が第1セットをモノにすると、第2セットもゲームの流れを手放さず、序盤からリードを奪う展開。一進一退の攻防が佳境を迎えていたD1が、勝負の鍵を握ることとなった。

 S1、S2と3面展開でスタートしたD1は、ポイント経過こそゆったりとしたものだったが、着実にゲームを支配していったのは沖縄尚学の西里夏子/比嘉益見だった。第1セットを6-4で先取し、第2セットも4-1とリードを奪ったときには、沖縄尚学が大きく優勝に近づいたと思われた。

 しかし、京都外大西の大野菜々子/井手梨香子はそこから粘りを見せる。相手がゲームポイントをミスで落とす隙を逃さず、着実にポイントを重ねて5連続ゲーム奪取。セットオールに持ち込んだ。しかし、第3セットに入ると、ふたたび流れは西里/比嘉へと戻り、またも1-4と追い込まれる。それでも大野と井手は、「絶対にいける」と考えていた。そこに根拠はなかったかもしれないが、少なくともその思考が自然体のプレーを生み出したのかもしれない。一方の比嘉は、勝利に近づいたという思いよりも、「(第2セットと同じ展開に)嫌な感じがした。第2セットを引きずっていた」

優勝を決めた京都外大西のD1大野/井手

 このメンタルの差がゲームに現われた。突然、チャンスで決めきることができなくなった西里/比嘉から、「チャンスがきたら前で決める」というシンプルなプレーを実行し続ける大野/井手へ、ふたたび流れが大きく傾いたのも必然だったのかもしれない。結局、またも1-4から5連続でゲームを奪い、チームに全国初優勝を運んだ。

 「重要なポイントへの意識が高くなった。“勝ちどころ”であきらめず、粘り強く戦うことを貫き通すことができた」。立村克己監督の勝因を語る言葉も、大野/井手の鮮やかな逆転勝利を観たあとではすんなりと心に入ってくる。「まさかここまで来られるとは思っていなかった」と立村監督は本音を吐露したが、選手たちの粘りとあきらめない気持ちが、チームを頂点へと導いた。

準優勝に終わった沖縄尚学

 あと一歩で頂点を逃した沖縄尚学・平良和己は、「チャンスはあったと思うし、紙一重だったが、気持ちで相手が優っていたかもしれない」。それぞれが自分の力は出しきった。3回戦では湘南工大附(神奈川)との10時間ゲームを制し、チームの結束力も高まった。それだけに、全国制覇へはまだ“何か”が足りないのだろう。平良監督は夏を見据えながら、「まだまだ個人の力を上げなければならない」とつぶやいた。

 大会最終日、27日(金)は博多の森テニス競技場で男女個人戦の準決勝・決勝が行われる。試合開始時間は9時の予定。

男女団体決勝の結果はコチラ

※トップ写真は初優勝を果たした京都外大西

テニスマガジン/編集部◎杉浦多夢)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 10853

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>