第41回全国中学生テニス選手権大会(8月17~19日団体戦、20~23日個人戦/松山中央公園テニスコート)の7日目、男子個人戦はシングルス・ダブルスの決勝が行われた。個人戦は単複ともにトーナメントとし、シングルスは4回戦、ダブルスは3回戦まで8ゲームプロセットマッチを採用。準決勝以降は3セットマッチ(各セットとも6ゲームズオール後タイブレーク・システム)とする。
男子シングルスの決勝は、トップシードの堀江亨(関市立桜ヶ丘)が第3~4シードの清水悠太(湖南市立甲西)を6-3 7-6(5)で下し、全国小学生大会、全日本ジュニアU14に続く全国タイトルを手にした。
「最初は緊張して出だしが悪かった」と堀江が言うように、第1セット序盤は清水に先手を取られた。第1ゲームでいきなりブレークされ、1-3とリードを奪われる。しかし、そのままズルズルとゲームを重ねてしまわないのが堀江の強さだ。空回りしていた得意の高速アタックを封印して長いラリーへと持ち込み、ボールの深さを使って清水からエラーを引き出す戦術へと切り替える。そこから5連続ゲーム奪取で第1セットを奪った。
堀江にとっては、第1セットを奪った流れのまま、第2セット第1ゲームをブレークできていたのが大きかった。それ以降、左利きから繰り出される清水のサービスが冴えわたったからだ。「ファーストサービスが入って自分が攻めるポイントが増えた。理想のテニスができた」という清水に対し、「コース、確率、ほとんど完璧に入ってきて、返すのが精一杯だった」という堀江。互いにキープを重ねていたが、第8ゲームでついに清水がブレークバック。土壇場でスコアが並んだ。
「(自分は)全日本ジュニアからの疲れもあったし、相手は元気そうだった。ファイナルに入ったらまずいと思った」という堀江が、ここで一気にギアを上げた。フットワークに力強さと粘り強さが宿り、これまでわずかに届かなったボールも次々と拾い、切り返していく。ブレークこそ奪えなかったが、最後はタイブレークでの際どい勝負を7-5でモノにした。
「決勝ではいいプレーができた。次につながる試合」。敗れはしたが、清水は一定の満足感を口にした。「これまでは、ほとんどゲームも取れなかった相手に、競ることができた」。しかし、堀江に近づいたからこそ、勝つために足りないモノが見えてくる。「タイブレークを取りきれなかったのが相手との差。ゲームもポイントも、取りきることが必要になる」。
トップシードを守って頂点に立った堀江は、「すごくうれしい」と喜びを口にする一方で、「自分のテニス、攻撃的なテニスができなかった」というわずかな消化不良が残ったようだ。しかし、状況を見極めた上での戦術の切り替えと実行力は、称えられるべきものであるはず。それができたからこそ、「全中は絶対に、確実に取りたかった」という言葉を、現実のものにすることができたのだから。
男子ダブルス決勝は、ノーシードの坂野唯/田形諒平(狛江市立狛江第二)が、第1シードの武藤洸希/増田健吾(小平市立小平第二)を4-6 6-1 6-2と逆転のフルセットで下し、優勝を果たしている。
※トップ写真は男子シングルスで優勝を飾った堀江亨
男子シングルスの決勝は、トップシードの堀江亨(関市立桜ヶ丘)が第3~4シードの清水悠太(湖南市立甲西)を6-3 7-6(5)で下し、全国小学生大会、全日本ジュニアU14に続く全国タイトルを手にした。
「最初は緊張して出だしが悪かった」と堀江が言うように、第1セット序盤は清水に先手を取られた。第1ゲームでいきなりブレークされ、1-3とリードを奪われる。しかし、そのままズルズルとゲームを重ねてしまわないのが堀江の強さだ。空回りしていた得意の高速アタックを封印して長いラリーへと持ち込み、ボールの深さを使って清水からエラーを引き出す戦術へと切り替える。そこから5連続ゲーム奪取で第1セットを奪った。
堀江にとっては、第1セットを奪った流れのまま、第2セット第1ゲームをブレークできていたのが大きかった。それ以降、左利きから繰り出される清水のサービスが冴えわたったからだ。「ファーストサービスが入って自分が攻めるポイントが増えた。理想のテニスができた」という清水に対し、「コース、確率、ほとんど完璧に入ってきて、返すのが精一杯だった」という堀江。互いにキープを重ねていたが、第8ゲームでついに清水がブレークバック。土壇場でスコアが並んだ。
「(自分は)全日本ジュニアからの疲れもあったし、相手は元気そうだった。ファイナルに入ったらまずいと思った」という堀江が、ここで一気にギアを上げた。フットワークに力強さと粘り強さが宿り、これまでわずかに届かなったボールも次々と拾い、切り返していく。ブレークこそ奪えなかったが、最後はタイブレークでの際どい勝負を7-5でモノにした。
「決勝ではいいプレーができた。次につながる試合」。敗れはしたが、清水は一定の満足感を口にした。「これまでは、ほとんどゲームも取れなかった相手に、競ることができた」。しかし、堀江に近づいたからこそ、勝つために足りないモノが見えてくる。「タイブレークを取りきれなかったのが相手との差。ゲームもポイントも、取りきることが必要になる」。
トップシードを守って頂点に立った堀江は、「すごくうれしい」と喜びを口にする一方で、「自分のテニス、攻撃的なテニスができなかった」というわずかな消化不良が残ったようだ。しかし、状況を見極めた上での戦術の切り替えと実行力は、称えられるべきものであるはず。それができたからこそ、「全中は絶対に、確実に取りたかった」という言葉を、現実のものにすることができたのだから。
男子ダブルス決勝は、ノーシードの坂野唯/田形諒平(狛江市立狛江第二)が、第1シードの武藤洸希/増田健吾(小平市立小平第二)を4-6 6-1 6-2と逆転のフルセットで下し、優勝を果たしている。
※トップ写真は男子シングルスで優勝を飾った堀江亨
(テニスマガジン/編集部◎杉浦多夢)