フランス・ストラスブールの室内ハードコートで開催されたフェドカップ決勝「フランス対チェコ(11月12、13日)は、2日目の勝負がかかったダブルスでバーボラ・ストリコバ/カロリーナ・プリスコバのチェコ・ペアがカロリーヌ・ガルシア/クリスティーナ・ムラデノビッチのフランス・ペアを7-5 7-5で下し、3勝2敗でチェコの勝利を決めた。
チェコはこれで3連覇を達成。ここ6年で5度目のタイトル獲得であり、合計すると10度目の優勝を飾った。3連覇は1993年から95年に優勝したスペイン以来となる。
ここ10年のチェコはフェドカップで圧倒的強さを誇っており、特に2010年からの17対戦では16対戦に勝利。敗れたのは2013年準決勝のイタリア戦のみとなっている。
チームを5度優勝に導いたチェコの指揮官、ペトル・パラは今やフェドカップ史上もっとも成功を収めた監督となった。
「私たちの秘密?すべてのポイントで戦うこと、最後の最後まで戦い続けることよ」とストリコバは言う。彼女は昨年のロシアとの決勝でもプリスコバと組んで最後のダブルスを戦い、勝利をつかんでいた。
フランスの選手たちが涙を拭っている間、プリスコバは「今日は素晴らしい日。簡単な戦いではなかったけれど、だからこそいっそううれしいわ」と話した。
日曜日の試合で鍵となった選手は間違いなくストリコバだ。最後のダブルスで印象的なプレーを見せる前、彼女はシングルスで故障によりプレーできなくなったペトラ・クビトバ(チェコ)の代役を務め、アリゼ・コルネ(フランス)を6-2 7-6(4)で破ってチェコのタイトル防衛の希望をつないだ。
前日のシングルスを1勝1敗で終えた両国は、2日目の第1試合のシングルスでガルシアがプリスコバを6-3 3-6 6-3で破り、フランスが2勝1敗として先に王手をかけた。その後、第2試合のシングルスでストリコバがコルネを破り、2勝2敗のタイに戻したのだ。
深いグラウンドストローク、スライス、ネットラッシュなどをミックスしてコルネを倒したストリコバはダブルスにおいてもプリスコバとのペアでアグレッシブなテニスを見せ、チェコを勝利へと駆り立てた。
第1セットは両チームが非常にいいプレーを披露したが、ネットプレーが冴えたチェコ・ペアがムラデノビッチのダブルフォールトにつけ込み第11ゲームで勝負を分けるブレークを果たす。チェコ・ペアは2つのブレークポイントを握ったが、プリスコバの強打にムラデノビッチが対処できず、ブレークチャンスはひとつで事足りた。
フランス・ペアはすぐに反撃して第2セットの出だしでプリスコバのサービスにアグレッシブに挑みプレッシャーをかけたが、手にした2つのブレークポイントはものにすることができなかった。
フランス・ペアはストリコバのサービスゲームでも同じように攻撃を続けたが、ここでもまた、2つのブレークポイントをつかむも無駄にしてしまう。
チェコ・ぺアはより機能的であり、ムラデノビッチのエネルギーの減退を最大限に利用した。次のゲームでストリコバが難しいバックハンドのオーバーヘッドを決め、チェコ・ペアがブレークを果たして3-2とリード。だが、フランス・ペアは諦めなかった。ガルシアが強烈なフォアハンドをダウン・ザ・ラインに決めたあと、ストリコバのサービスをブレークして4-4と追いついた。
だが、この流れの転換は長くはもたなかった。ムラデノビッチのサービスゲームでチェコ・ペアがブレークポイントをつかむと、そこでプリスコバがネット際で身を低くして完璧なショットを決めた。
その後、フランス・ペアは一度はマッチポイントをしのぎ食い下がったが、チェコ・ペアは次のマッチポイントできっちりとトドメを刺した。
試合後、フランスのアメリー・モレスモー監督は「勝利までもう少しというところまで迫っただけに残酷な敗戦だった。疲労で少し鋭さが足りなかったかもしれないが、目の前には世界最強のチームがいた。今は敗戦の失望で選手たちは打ちひしがれているが、多くのポジティブな瞬間があり、少しして落ち着けば、そのよかった点が見えてくると思う」と話した。
一方、チェコのパラ監督は、「クビトバは今日プレーできなかったから、我々に選択肢は残されていなかった。でもストリコバは本当にいいプレーをした」と満足げに言った。「彼女たちは決してあきらめない。それはフランスの選手たちも同じだったが、ウィナーは1チームだけなのだ」。(C)AP
【フェド杯決勝結果|フランス 2-3 チェコ】
第1試合 ●ムラデノビッチ 3-6 6-4 14-16 ○プリスコバ
第2試合 ○ガルシア 7-6(6) 6-3 ●クビトバ
第3試合 ○ガルシア 6-3 3-6 6-3 ●プリスコバ
第4試合 ●コルネ 2-6 6-7(4) ○ストリコバ
第5試合 ●ガルシア/ムラデノビッチ 5-7 5-7 ○プリスコバ/ストリコバ