『平成26年度全日本学生テニス選手権大会(男子82回/女子58回)』(予選8月14~16日、本戦8月19~25日/岐阜メモリアルセンター)の第6日は、男子シングルス、ダブルスともに準決勝が行われ、男子シングルスは第10シードの近藤大基(慶應義塾大4年)と第13シードの岡村一成(早稲田大4年)が決勝進出を決めた。
近藤は第2シードの今井慎太郎(早稲田大3年)を7-6(2) 6-4で退けた。序盤は堅さが目立ったものの、今井のミスにも助けられ、ペースをつかんでいった。第1セットをタイブレークで先取すると、第2セットも接戦をものにしてストレートで決着をつけた。「我慢しないといけないところと思いきりいくところ、そのバランスがよかった」と勝因を語った。
早慶の主力選手であり、同じ高校(湘南工大附高)の先輩と後輩。これまで何度も対戦してきた。「(今井への)戦い方が頭にあって、それを実行した」と近藤。詳細は「秘密です」と苦笑したが、粘り強くラリーを続け、今井を左右に揺さぶり、ミスを誘うことだったろう。狙い通りの展開に持ち込み、近藤が優勝に王手をかけた。
今井は第1セットの序盤で引き離すチャンスが何度もあった。しかし、そこを取りきれず、近藤を立ち直らせてしまった。セットポイントでもチャンスボールをミス。「大事なところで攻めきれなかった」と試合を振り返った。2年連続のベスト4。決勝進出を逃した悔しさより、「自分のテニスができなかった」ことを悔やんだ。
岡村はセンターコートで第9シードの大友優馬(法政大3年)を6-4 6-1で下した。パワーテニスで押してくる相手に対し、岡村は「しぶとく返すことに徹しようと思った」と言う。慌てることなく辛抱強く返し、チャンスがきたら得意のフォアハンドで叩き込む。第1セット、第2セットともに序盤で大友のサービスをブレークし、試合の主導権を握った。
インカレ優勝は一番近い夢だ。1年から順に、ベスト16、ベスト32、ベスト8、そして今年ついに決勝へ進んだ。「4年目にして、やっとここまでこれた」と岡村。もちろん狙うは優勝。「(今大会は)いい勝ち方ができているので、明日も頑張りたい」――卒業後はプロ転向を考えている岡村にとって、明日の決勝は大事な一戦になる。
大友は「完敗でした」と潔く敗戦を認めた。これまでの対戦でつかんでいた弱点を突いていったが、「ほとんど改善されていた」と脱帽。「今までの対戦と違い、なかなかチャンスを与えてくれなかった」と話した。それでも昨年のインカレ室内に続き、このインカレでもベスト4をマーク。「今年のインカレ室内では優勝したい」と力強く語った。
明日の決勝は、近藤対岡村の4年生対決になった。「同じ学年だし、全力でぶつかっていい試合をしたい」と岡村が言えば、近藤も「まだ負けたことがない。気合いを入れて明日も勝ちたい」。また、岡村は梶修登(早稲田大3年)と組んだダブルスでも決勝に進んで2冠を狙う。
【男子シングルス決勝】※名前の左に付いている数字はドロー番号、丸数字は学年
37岡村一成④(早稲田大)vs 60近藤大基④(慶應義塾大)
【男子ダブルス決勝】
1古田陸人④/今井慎太郎③(早稲田大)vs 25岡村一成④/梶修登③(早稲田大)
※トップ写真は、今井を下して決勝進出を決めた近藤