5月4日からスペイン・マドリードで開幕した「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/367万1405ユーロ/クレー)。
火曜日に行われた2回戦で、全豪オープンを制したスタニスラス・バブリンカ(スイス)が、予選から勝ち上がってきていた新鋭のドミニク・ティエム(オーストリア)に敗れる波乱があった。ティエムは1-6 6-2 6-4のスコアでバブリンカを倒し、3回戦に進出した。
ティエムは現在20歳。彼のキャリアでは最大の勝利だが、終始落ち着いた試合ぶりでの勝利だった。
ティエムは序盤こそリズムをつかみかねているような場面もあったが、ベースラインから雷のような強烈なストロークを放ち、また、ネットに出ればソフトなタッチを生かしたショットを駆使して第3シードのバブリンカをクレーコートで倒した。
「まだトップの選手たちとはあまり試合をしたことがなかったから、最初は相手のペースがつかめなかった。相手は出だしがすごくよくて、僕も何が起きているのかわからなかったんだ」と70位のティエムは試合を振り返る。「でも、だんだん相手のペースに慣れてきた。第2、第3セットは自分でも信じられないプレーができたと思う」。
第3セットは第10ゲームまではお互いのサービスゲームをキープし合う展開だったが、ティエムはこのバブリンカのサービスゲームで、バックハンドの強烈なダウン・ザ・ラインを決めてリードし、さらにロングラリーの最後にドロップショットを放ってマッチポイントを握った。
「いわゆるゾーンに入っていた。自分でも信じられないくらいの集中力だった」とティエム。トップ10選手を相手に3度目の試合で初の勝利だった。
この試合で3度目のブレークがマッチポイントとなった。最後はバブリンカがバックハンドをワイドに外してティエムの勝利が決まった。
「第3セットでは僕にもチャンスがあったし、そういう機会でもっといいプレーをすべきだった」とバブリンカ。彼にとってはこの試合が今季4敗目だ。「でも、僕は消極的だったし、彼は勝利にふさわしいプレーをしたということだね」。
手首を傷めたノバク・ジョコビッチ(セルビア)に続き、ロジャー・フェデラー(スイス)も双子の男の子の出産に立ち会ったために欠場。さらにバブリンカも敗退。ディフェンディング・チャンピオンのラファエル・ナダル(スペイン)にとっては、今季のクレーでの不調を巻き返す絶好の舞台が整いつつある。ナダルは水曜日にフアン・モナコ(アルゼンチン)との初戦を迎える予定だ。(C)AP
Photo:Dominic Thiem from Austria returns the ball during a Madrid Open tennis tournament match against Stanislas Wawrinka from Switzerland, in Madrid, Spain, Tuesday, May 6, 2014. (AP Photo/Andres Kudacki)