大会10日目を迎えた全豪オープン（オーストラリア・メルボルン）の女子シングルス準々決勝でまたもや波乱だ。
大会連覇を目指していたビクトリア・アザレンカ（ベラルーシ）が、アグネツカ・ラドバンスカ（ポーランド）に1-6 7-5 0-6で敗れた。
ラドバンスカは第5シードでの出場。彼女はアザレンカの全豪オープンでの連勝を18で止め、彼女自身は3年連続となるベスト8での敗退を止めた。この試合でのラドバンスカは、彼女の持ち味でもある多彩なショットでアザレンカを揺さぶり、そして混乱させて打ち破った。
アザレンカの敗退により、今年の大会では男女ともにディフェンディング・チャンピオンが準々決勝で敗れたということになった。
また、世界ランク1位のセレナ・ウイリアムズ（アメリカ）や、同3位のマリア・シャラポワ（ロシア）もすでに敗退。グランドスラムで優勝した経験を持つ選手は、2011年全仏を制したリー・ナ（中国）だけとなっている。
ラドバンスカの準決勝は、第20シードのドミニカ・チブルコバ（スロバキア）だ。チブルコバは準々決勝でシモナ・ハレプ（ルーマニア）を6-3 6-0で下しての勝ち上がりで、第11シードのハレプが、最後の8ゲームを連取され、1時間で圧倒されてしまった試合を演じてのベスト4だ。
ラドバンスカはアザレンカを相手にドロップショットやスライスをベースラインから送って前に引きずり出すと、ロブやパッシングショットで自在にポイントをコントロールした。ラドバンスカは落ち着いていて、正確なボレーを決め続け、また、アザレンカのショットはほとんど予測されていたように見えた。
ラドバンスカには力強いサービスはないが、第2シードのアザレンカを相手に様々な球種をミックスし、さらに自分のサービスゲームをキープするには十分なパワーがある。
「彼女はアグレッシブで、何でもできるし、予測も正しかった」とアザレンカは言い、「私は彼女の手のひらの上に乗り過ぎていたみたいだったわ」と続けた。
「第2セットでは私の逆襲もうまくいったけど、第3セットの最初のゲームが大事だったわ。私はあまりにも簡単にプレーしてしまった。あれでもう逆転はできなくなったと思う」とアザレンカは振り返っている。
ラドバンスカのサービスゲームは安定していて、2時間の試合で2度しか落とさず、逆にアザレンカのサービスゲームを6度も破った。ここ最近の7試合ではアザレンカに連敗し、13度の対戦で3度しか勝てていなかったが、この試合はラドバンスカが勝ちきった。
「私は自分に、準決勝に進みたければ一歩前に踏み出すこと、と言い聞かせていたの。だから最後に勝てて本当にとてもうれしいわ」とラドバンスカ。彼女にとってはハードコートのグランドスラムで初となるベスト4進出だ。彼女は2012年ウィンブルドンで、ポーランド人選手としてはオープン化以降初めてグランドスラムの決勝に進出し、さらに昨年の大会でもベスト4に進出している。
「私には失うモノはないという気持ちで戦ったわ。彼女にはタイトルを守りたいという気持ちがあったかもしれないけど、私にはない。私はただ自分のベストのテニスをすればいいとだけ考えていたのよ」とラドバンスカは言う。
試合の終盤にアザレンカはブーイングを受けた。それはイライラしてボールをバックフェンスにぶつけたり、まったくミスをしないラドバンスカから大事なポイントを取れず、大きな叫び声をあげたり、ラケットをコートに叩きつけたりしたからだが、これらはアザレンカに運をもたらすことはなかったようだ。
この試合でアザレンカが犯したアンフォーストエラーは47本。「ミスが多過ぎたわ。それも大事なポイントで簡単にミスをしてしまった」とアザレンカはコメントしている。「相手の方が私より全部のプレーが少しずつ、すべての面で上回っていたと思う」。
「今日の自分の行動は、確かによくなかったと思う。でも、プレーはよくなってきているように感じているわ」とアザレンカは言う。「今日の相手は見事だったわ。私は何もできなかった」と続けた彼女は「次の機会までにどうすればいいかを考えないといけないわ。私はまだまだよくなれる。何か前向きなことを見つけたいと思っているわ」。(C)AP
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Photo:Agnieszka Radwanska of Poland, right, shakes hands with Victoria Azarenka of Belarus at the net after Radwanska won their quarterfinal at the Australian Open tennis championship in Melbourne, Australia, Wednesday, Jan. 22, 2014.(AP Photo/Andrew Brownbill)
