お 大会6日目となった「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)の男子シングルスは3回戦。第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)がガエル・モンフィス(フランス)を圧倒し、6-1 6-2 6-3で破り4回戦進出を決めた。モンフィスとは12度目の対戦で10度目の勝利となる。ナダルは4回戦で錦織圭(日清食品)と対戦する。
「昨年は欠場していたから、またこの大会に出られると思ったときには感情的になったよ」とナダル。「今日の試合は、今大会では最高のプレーができたと思う」。
「ベビー・フェデラー」と呼ばれるのがグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)。ロジャー・フェデラー(スイス)と似た片手打ちバックハンドを持つことがその由来だ。今はマリア・シャラポワ(ロシア)のボーイフレンドとしても知られている。
グランドスラムで初めての2週目に勝ち残ったディミトロフ
22歳のディミトロフは今後のテニス界を担う存在として期待されている選手の一人だが、さらに期待は高まってきており、彼の「ニックネーム」も彼のコーチたちは返上したがっている。
「今までもはっきり、そして強く言ってきた通り、僕の名前はグリゴールだ」とディミトロフは言う。「僕は毎日、毎試合で、自分がグランドスラムで勝てる選手だと証明しつつあると思っている」と彼は続け、「今までのことははっきり過去になったと思っている」と話している。
今大会は第22シードとしての出場だったディミトロフは3回戦で第11シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を5度のマッチポイントの末に6-3 3-6 6-4 7-6(10)で破り、グランドスラムでは初の2週目に進出した。シード選手として出場する初の全豪オープンで、初めて2回戦以上に進んだのが今年の大会だ。
「初めての2週目だ!」と彼は観客に向って叫んでいた。「来週もまたみんなの姿を見られるよ」。
彼は自分の名前で呼ばれたがっているが、同時にフェデラーと似ていると言われることについては彼も認めている。
フェデラーは「僕は彼のゲームが好きだよ。間違いなく彼のプレーと僕のプレーには関係があると思うね」とフェデラーは3回戦の後の記者会見で話している。「僕らは同じく片手打ちのバックハンドだし、アスレティックにプレーするテニスが好きだ。つまり、攻撃的なテニスが僕たちは同じなんだよ」。今は両者は同じ代理人と契約している。
「彼も色々と上げて来ていると思う」とフェデラーは言う。「僕が思うに、今季は彼にとってとても大事になる。ランキングを大きく伸ばし、トップ10のドアをノックするためのね」。
全豪オープンでは3度の準優勝の実績を持つアンディ・マレー(イギリス)は第26シードのフェリシアーノ・ロペス(スペイン)を7-6(2) 6-4 6-2で倒して、6年連続の4回戦進出を決めた。
9月に背部の手術をして以来、この全豪は2大会目。この試合では相手に1度しかブレークを許さず、2時間15分で勝利した。「最初の2試合は猛暑の下でのプレーで、ちょっとトリッキーだったけど、今日は素晴らしい状況でプレーができたね」とマレーは話している。
マレーの4回戦の相手はフィリップ・コールシュライバーの欠場で、ラッキールーザーから勝ち上がってきているステファン・ロベール(フランス)だ。
ラッキールーザー同士の3回戦を制してベスト16入りしたロベール
多くの選手たちはシーズン最初のグランドスラム初戦に向けて、対戦相手について研究し、対策を立てて、何時間もの練習を積んで臨むものだが、このロベールは違った。わずか10分の準備時間で1回戦に挑んだのが今週の彼だった。
ロベールは33歳の苦労人。予選の決勝で敗れた彼は、本戦出場のための最後の望みを「ラッキールーザー」の権利獲得に賭けていた。ある意味、今週の彼は最も幸運な選手と言ってもいい。
1回戦に勝った後も勝ち進んだ彼は、この日の3回戦で同じくラッキールーザーでの本戦出場だったマルティン・クーリザン(スロバキア)を6-0 7-6(2) 6-4で倒して4回戦進出を果たした。ラッキールーザーが4回戦に進出したのは大会史上初だという。
「1回戦の前はちょっとだけトラブルがあったよ。どんなプレーをすればいいのかまったくわからなかったから」とロベール。「レフェリーから"OK、プレーの準備はいいかい?"と聞かされて、コート7に行けと言われたんだ。僕はOK、コートで会おうと答えたよ」と笑いながらロベールは振り返る。メインインタビュールームでの記者会見も、今大会で初めて経験した。
ロベールは現在119位。ATPツアーレベルでは今まで16試合に勝っただけで、キャリアのほとんどをチャレンジャーやフューチャーズで過ごしてきた。彼は本戦出場にわずかにランキングが足りず、予選決勝で敗れた選手たちの中では、クーリザンに次いで2番目のランキングの選手だった。
「よう、みんな調子はどうだい? なんてロッカールームにチェックには行かなかったからね」と彼はジョークを飛ばす。「フィリップ(コールシュライバー)が太ももを故障していたなんて知らなかったんだ。うれしい驚きだったよ」。
ロベールは現時点で過去最高額となる賞金を手にする。予選決勝進出の分で14,400豪ドル(約132万円)に加え、4回戦進出で135,000豪ドル(約1,232万円)を獲得することになるからだ。
4回戦での対戦相手となるマレーはロベールについてこんな話をしている。「33歳でトップ100でなく、または特別な理由がなかったら、いつ引退してもおかしくないというのが普通だけど」とマレーは言いつつ、「でも、チャンスがきたときにそれをモノにし、素晴らしい結果を手にする。それがプロフェッショルだと思うよ」と続けている。
しかし、コールシュライバーの故障がなければ、ロベールの今回の快進撃は起きなかったことだと、ロベール自身も理解している。「彼(コールシュライバー)がどんな性格なのかは知らないけど、次の大会で彼を見かけたら、ありがとうと言いに行くだろうね」。
全豪オープンでは過去に4度の優勝の実績を持つ第6シードのロジャー・フェデラー(スイス)は、ティムラズ・ガバシュビリ(ロシア)を6-2 6-2 6-3で下し、全豪では13大会連続での4回戦進出を果たした。
「前にミルカが身ごもっていたときには、僕のプレーが本当に良くてね。全仏とウィンブルドンで優勝できたんだ」とフェデラーは2009年を振り返る。「あのときはすごいプレッシャーがあったよ」。
フェデラーの次の対戦相手はジョーウイルフライ・ツォンガ(フランス)だ。昨年の大会では準々決勝でフェデラーはツォンガを下している。ツォンガは「リベンジできるチャンスだね」と話している。ツォンガはジル・シモン(フランス)を7-6(5) 6-4 6-2で倒しての勝ち上がりだ。 (C)AP
Photo:Rafael Nadal of Spain celebrates his win over Gael Monfils of France during their third round match at the Australian Open tennis championship in Melbourne, Australia, Saturday, Jan. 18, 2014.(AP Photo/Eugene Hoshiko)
Photo:Grigor Dimitrov of Bulgaria makes a backhand return to Milos Raonic of Canada during their third round match at the Australian Open tennis championship in Melbourne, Australia, Saturday, Jan. 18, 2014.(AP Photo/Andrew Brownbill)
Photo:Stephane Robert of France celebrates his win over Martin Klizan of Slovakia during their third round match at the Australian Open tennis championship in Melbourne, Australia, Saturday, Jan. 18, 2014.(AP Photo/Aijaz Rahi)